日本電気(株)は10日、同社のインターネット総合サービス“BIGLOBE”における2002年度の事業戦略について説明した。BIGLOBEの会員数は2月時点で1313万人。このうちISP会員が405万人で、他ISP会員でBIGLOBEのコンテンツやサービスのみ利用している付加価値サービス会員が908万人となっている。なお、2001年度の事業実績においては単年度黒字化を達成したという。
事業戦略について説明したNECソリューションズ執行役員常務の芳山憲治氏 |
同社は、現在さまざまな企業においてアウトソーシングの常態化やe-マーケティングの活用が進む中で、パーソナル向けサービスとビジネス向けサービスを両輪とした事業展開を行なうとしている。具体的には、企業システムの構築/運用を行ない、さらにその企業が持つ会員向けのコミュニティーを企画/運営することで会員データベースを構築、各社の会員データベースおよびBIGLOBE会員データベースをバーチャルに統合しデータマイニングすることで、企業プロモーションやリサーチ等のe-マーケティングで活用できるようにするという。
さらに消費行動が二極化し、コモディティーは安く買いたいが、価値のあるものには金を惜しまないという消費者の行動に対応するため、価格競争から価値競争へシフトし、プレミア会員を設定してリッチコンテンツ/サービス(有料)を提供していくという。具体的なコンテンツ内容は現在検討中だが、マーケティングリサーチを行ない、ユーザーが料金を払ってでも見たいと思うようなコンテンツを提供したいとしている。将来的には、接続料金よりもコンテンツ利用料で収益を上げるビジネスモデルを目指すという。
また同社は、携帯電話端末市場およびパソコン市場でシェア1位、ISP市場でシェア2位という強みを生かし、これら3事業において統一的価値のあるサービスを提供するという。例えば、NEC製携帯電話端末と親和性の高いサービスを提供することで、NEC携帯ユーザーがスムーズにBIGLOBEに入会できるような流れを作りたいとしている。NTTドコモのiモードメニューオープン化への取り組みは現在検討中としているが、説明を行なったNECソリューションズ執行役員常務の芳山憲治氏は「ドコモのオープン化は大きな1歩。オープン化によりNEC独自の端末ができればいろいろなことが可能になる。来年には具体的な話ができるだろう。現在の端末には不便な部分も多いので、それらを何とかしたい」としている。
なお、プロバイダー各社の連携や統廃合については、「中小プロバイダーの運営が厳しくなっているのは事実。そのまま生き残るか統廃合されるかどうかの具体的な話が今後出てくるだろう。大手プロバイダーが今後どう連携するかについては、いろいろ動きがあるが、現時点でわれわれが具体的に話すことはない。しかし、プロバイダーの再編/淘汰という方向は正しいと思う。プロバイダー同士がコンテンツのローミングを行なうことで、それぞれの会員が良いコンテンツを利用できるのはいいこと。プロバイダー各社も民放テレビ局のような連携があったほうがいい」としている。