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【オーバークロック研究室】PowerLeap製「PL-370/T」を使ってTualatinコアCPUをオーバークロックする

2002年04月07日 20時59分更新

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●コア電圧を高くしてCPUの限界を探る

 メモリとコア電圧操作の準備が整ったところで、いよいよオーバークロックテストを開始しよう。先ずは設定するコア電圧に対してCPUの動作クロック限界を調べてみる。調査した方法は、これまでのテストと同じように特定のコア電圧をセットしておきベンチマークテスト代わりにSuperπを走らせて104万桁の計算を終了できたなら順次FSB設定クロックを高くしていく。もしも、起動困難やSuperπがエラーを告げたなら、計算が終了できた直近の動作クロックを限界値とする。そしてコア電圧を0.05V高くセットし再度Superπで円周率を計算をさせ最終的に操作可能なコア電圧値まで繰り返した。その結果はグラフに示した通りだが、このテストではメモリエラーとの誤認を避けるためメモリのアクセスタイミングを最も遅くしておくことが重要なポイントだ。なお、このテスト結果から操作可能な最高コア電圧1.75Vでは1.5GHzで動作したものの1.70V時の限界クロックと比較すると、0.1GHzの向上でしかなく効率が良いとは言えない。したがってこのCPUはコア電圧1.70Vを上限とし1.49GHz(FSB設定クロック175MHz付近)が使用限界と見定めた。ただし、これはCPUだけに限った数値でありアクセスタイミングを詰めた条件下のメモリなど他の要素が先に限界を迎えた時には到達できない場合もある。

コア電圧対CPU動作クロック表

●メモリタイミングを詰めて最速を目指す。

 それでは最後にこのシステムのベストパフォーマンスを求めてみよう。先ほどのコア電圧対CPU動作テストとは逆にコア電圧は一定(1.70V)とし、メモリのアクセスタイミングを詰めてみる。

 EP-3SPA3で操作できる要素はCAS Latency、RAS to CAS Delay、RAS Precharge Time、Cycle Time Tras/Trcの4項目だ。それぞれの項目を2-2-2-5/7としたセッティングが最も厳しくてフルスピードを要求することになる。このメモリセッティングで試したオーバークロックテストでは、最高164MHzのFSB設定クロックで各ベンチマークテストが動作し目標の1.4GHzにあと数MHzと迫った。そして上記4項目のうちCycle Time Tras/Trcを7/9と緩めたセッティングでは169MHzのFSB設定クロックで予定のベンチマークテストが全て完走した。なお、他の項目も緩めてテストしてみたがCPUの使用限界までFSB設定クロックが高くできるわけでもなく、ベンチマークスコアが落ちるだけであった。

 また、メモリ電圧は設定可能な最高値(3.65V)として全てのテストに臨んだ。ちなみにベンチマークの結果はグラフを見ていただくとして、今回のテストで得たベストパフォーマンスはSuperπの計算スピードだけを比較すると、過日テストしたPentium4-2.0AGHzシステムの2.2GHzオーバークロック時に匹敵するタイムをたたき出している。当然、当初の目標とした1.4GHzオーバーをクリアしており、単純計算ではあるが27%のパフォーマンスアップを得たと言っていいだろう。また、今回のテストを通じて、PL-370/Tはチョットした工夫でオーバークロックシステム(特にTualatinコア版CPUをサポートしないマザーボード)に強力な助っ人になりうるアイテムであったこと、そして256MBであるにも関わらずR-S133-256Mのオーバークロック耐性がすこぶる優れていたことが印象的で成功の一因となった。

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