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【オーバークロック研究室】PowerLeap製「PL-370/T」を使ってTualatinコアCPUをオーバークロックする

2002年04月07日 20時59分更新

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●さらなるオーバークロック動作をめざして

 ところで過去のオーバークロックテスト結果を振り返ってみると、手元のPentiumIII-S-1.13GHzで動作させた最高クロックは約1.33GHzであるが、単純に計算すると18%弱のアップでしかない。この数値を他のシステムと比較するとボリュームは低い部類に属してしまう。例えば過日テストしたPentium 4-2.0AGHzでさえ23%アップを得ているのだ。そこで今回は、PentiumIII-S-1.13GHzのさらなるパフォーマンスアップを考えてみた。目標としては規定動作クロックの25%アップ。つまり1.4GHzオーバーで動作させてみようと言うわけだ。

 ただし、この目標を達成するためには少なくとも2つのハードルをクリアしなければならない。それは、FSB設定クロックの問題とコア電圧の問題である。まず、1.4GHzオーバーの動作を目論むとなれば、CPU倍率を操作できない以上FSB設定クロックを高くするしか選択肢がない。逆算すれば少なくとも166MHzのFSB設定クロックを送り込む必要がある。となると必然的に166MHzで動作するメモリが必要になってくる。ただ、マザーボードがFSB設定クロック166MHzで動作するのか?という疑問については、現時点で動作するものと仮定し、テスト中にトラブルを抱えたならばその時に考えることにする。

 次に過去のデータからコア電圧1.575Vで1.44GHzの起動実績があるもののベンチマークテストが動作するほどの安定性は得られていない。おそらくコア電圧を更に高くすれば安定動作を得られる可能性はあるだろう。しかしEP-3SPA3のコア電圧操作機能を操ったとしても、現状では最高1.65Vまででありもう少し高い値まで設定できる余裕が欲しいところだ。調子にのって欲張るとCPUを破損してしまうかも知れない。そんなリスクを覚悟しておく必要もある。早い話が「オーバークロック耐性の優れたメモリ」と「覚悟」があればいいと言うわけだ。

●「オーバークロック耐性の優れたメモリ」を探せ

アイ・オー・データ機器製「R-S133-256M」 R-S133-256Mの外観
アイ・オー・データ機器製「R-S133-256M」パッケージ外観R-S133-256Mの外観
メモリチップは166MHzスペックのHyundai製HY57V28820AT-6を搭載

 これまで、オーバークロック研究室の実験で使用するメモリの選定については、できる限りメジャーな製品を選んでテストしてきた。率直に言うとノーブランド品の中にもオーバークロック耐性に優れたメモリは存在するが、入手性やバラツキなどの観点からレポートの中で紹介することはある意味敬遠している。そんな条件下で、つまり「確実に入手可能で高性能なメモリを探せ」となると非常に難しい。ところがメジャーなベンダーの中にも「オーバークロック耐性の優れたメモリ」と噂される製品が発売されている。そのなかで今回は、アイ・オー・データ機器が扱っている「R-S133-256M」に注目した。このR-S133-256Mはベンダーが保証する動作クロックは133MHzではあるが、メモリチップにHyundai製の166MHz品を実装しており、メモリチップの基本スペックが高いSDRAMなのである。しかもメモリ容量は1DIMMあたり256MBなので、実用面においてもメモリ容量の要求量が肥大化する昨今のシステムに対して有利なハズだ。しかし、困ったことにR-S133-256Mは2002年2月20日現在で生産終了となり、同社の製品ラインナップから外れている。※当然のことだが、メモリ耐性についても、すべての環境に当てはまるとは限らないことをことわっておくので、あくまで自己責任でチャレンジしていただきたい。



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