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【オーバークロック研究室】PowerLeap製「PL-370/T」を使ってTualatinコアCPUをオーバークロックする

2002年04月07日 20時59分更新

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 それでは、EP-3SPA3にPL-370/TとPentiumIII-S-1.13GHzを装着し動作状況を確かめてみよう。なお、あらかじめEP-3SPA3はCoppermineコア版CPUで動作させ、最新のBIOSにアップデートしておいた。動作テストではシステムの電源を投入すると即刻POSTを開始し、あっけなくBIOS画面が表示。特に問題はないようだ。すぐにBIOS-SETUPを呼び出してPC Health Statusをチェック。この時、気になったのは「コア電圧が規定電圧より低い」こと、「CPU温度を監視できていない」の2点である。とりあえず、この状態でWindows Meがインストールできるか試してみたところトラブルもなく順調に完了。さらにベンチマークテストもスタートさせて一通りの動作確認を済ませた。

コア電圧の低さとCPU温度表示
PC Health Statusをチェックしてみるとコア電圧の低さとCPU温度表示が気になった

 ここで、先のチェックで気になった2点について調べてみる。まず、コア電圧が低い原因は、PL-iP3/Tの記事でも解説したが、Tualatinコア版からVIDピンの出力仕様が変更されたことで、従来のコア電圧電源回路ではTualatinコア版CPU本来のVIDコードが読めない。あるいは、現在テスト中のCPUが正しいVIDコードを出力できる環境にないか、CPUそのものにトラブルを抱えているかのいずれかだろう。ただ、PL-370/Tは本文冒頭でも述べた通り、独自のコア電源回路を搭載しておらず、マザーボード上のコア電源回路を利用する仕様となっている。したがってこの問題はコア電圧操作機能を持つマザーボードであれば補正できるわけだ。ちなみに今回のEP-3SPA3にはコア電圧操作機能が搭載されている関係で、本来の規定コア電圧(1.45V)を含めて最高1.65Vまで出力可能だが、この手が使えないマザーボードで規定コア電圧が得られない場合だと、必要に応じてVIDコードの操作など何らかの工夫(改造など)が必須となる。



本来の規定コア電圧を認識すればEP-3SPA3の仕様から最高1.80Vまで昇圧可能なのだが現状では最高1.65Vまでである

 次にCPU温度が監視できない問題は、PL-370/T内部でTHERMDNピンとTHERMDPピン、さらにはTHERMTRIPピンの結線が分断されているからだ。これらのピンは、CPU内部に埋め込まれたサーマルダイオードの信号線で、マザーボード上のモニター回路と接続されて利用可能になる。しかし、残念ながら何らかの理由で結線されていない。仕方なくテストでは、別途デジタル温度計を用意してCPUの温度を監視することにした。



CPU温度を監視するために温度センサーをCPUのピンサイド面に配置した

 具体的にはCPUのピンサイド面にゴマ粒サイズの温度センサーをテープ(クッション付き)で固定。センサーの信号線は、CPUのピン間を通して温度計に接続した。この時、PL-370/Tに実装したCPUを取り外す必要性が発生したわけだが、ソケットにくい込んだCPUは容易に外れない。先端の厚みが異なるマイナスドライバーを3本用意するなど、取り外しに意外と苦労した。CPUとPL-370/Tは、慎重な作業の末にどうにか分離する事ができたがコツはマイナスドライバーで四方から少しづつ隙間を作るように心がけることで決して一気にこじってはいけない。それでもCPUにキズをつけてしまうのでCPUを頻繁に脱着するなら何らかの対策が必要だ。



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