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富士通研究所、有機-無機ハイブリッド物質による分子エレクトロニクス材料の合成に成功――超高速、超高密度電子デバイスの実現へ

2002年03月28日 00時00分更新

文● 編集部

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(株)富士通研究所は28日、将来の超高速、超高密度情報処理デバイスに必要な有機分子と遷移金属(鉄やコバルトなど特殊な電子軌道を持つ金属元素)を組み合わせた有機-無機ハイブリッド物質を利用して、分子エレクトロニクス材料の合成に成功したと発表した。

今回開発した材料は、分子スケールで3次元的に回路を集積化する3次元マトリクス回路を構築でき、従来のシリコン半導体デバイスに比べ3桁速い動作速度を持つ高速スイッチングデバイスや、3桁大きい集積度をもつメモリーデバイスなどの実現に応用できると期待されているもの。

超分子マトリクスの概念図
超分子マトリクスの概念図

同社は、有機分子の自己構造制御特性と、遷移金属原子による高い電子機能(導電性、磁性、非線型光学機能など)を兼ね備えた全く新しいコンセプトの分子集合体“超分子マトリクス”の概念を考案し、それを実現するための有機-無機ハイブリッド物質の分子設計を行ない、従来は困難だった分子への信号アクセスが容易で、分子の安定性が高い新規物質の合成に成功したという。

集積化有機-無機ハイブリッド物質
集積化有機-無機ハイブリッド物質

今後、開発した材料を用いて、スイッチングデバイスなどの原理素子を実現するためち、3次元回路集積化の検討を進めるとしており、超高密度のメモリーデバイスや、超高速の光スイッチングデバイスへの応用が可能という。

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