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人間と共存するロボットの祭典“ROBODEX2002”が開幕──ソニー『SDR-4X』は年内発売へ

大学からは多種多様なロボットが登場

2002年03月28日 05時26分更新

文● 編集部 佐々木千之

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また、ソニーの土井上席常務、ホンダの平井常務、(株)講談社の山野常務、(株)ニッポン放送の亀渕社長を招いて記者会見も行なわれた。

(左から)(株)ニッポン放送の亀渕社長、ホンダの平井常務、ソニーの土井上席常務、(株)講談社の山野常務
(左から)(株)ニッポン放送の亀渕社長、ホンダの平井常務、ソニーの土井上席常務、(株)講談社の山野常務

会見でパートナーロボット市場とその事業について尋ねられた平井常務(ホンダ)は「ペットロボットの市場はできつつあるが、(人間のパートナーとなるような)パーソナルロボットの市場はまだない。技術が先行しており、(パーソナルロボットの)市場を作ろうと、その扉を叩いているところ。しかもその扉も、どれを叩いていいのかわからないのが現状。ASIMOのレンタル事業も始めてはいるが、全くの赤字であり事業と呼べる段階ではない」とコメントした。

同じ質問に土井上席常務(ソニー)は「新しい市場を立ち上げるのは難しい。かつてパソコンもApple ][が数万台売れて、初めて事業になりそうだということが見えた。パーソナルロボットは、少なくともその段階は越えている。ソニーの場合、(ROBODEX2000で出展した)『SDR-3X』は、とにかく動くものを作った。今回の『SDR-4X』は商品として売るつもりで開発してきている。今後の開発がすべて順調に進めば年内には発売できると考えている。ただ、価格は高級自動車1台分ぐらいになる。なんの役にも立たないエンターテイメントロボットであり、それが受け入れられるかどうかは分からないが、そこに挑戦して新しい産業を立ち上げていくつもりだ」と答えた。また土井上席常務は続けて「今はもっと参加企業が増えてほしい。立花隆氏の言葉だが、今は(生物の歴史で言う)“カンブリア爆発”(※1)の前の段階だ。いろいろな企業が参入し、けったいなものが大量に出て、淘汰されなくてはいけない。我々はカンブリア爆発を起こそうとしている」とも述べ、今はパーソナルロボット市場を立ち上げるための準備の段階であるとの見解を示した。

※1 カンブリア爆発:カンブリア紀(約5億数千万年前)に、その数千万年前に最初の多細胞生物が現われたばかりにもかかわらず、突然、現在の生物の基本となる種を含む、非常に多種の生物が発生した現象。

2回目となるROBODEX2002の前回との違いについては「取材申し込みの多さには驚いている。社会が変わった感じだ。技術的には、一昨年には2足歩行ロボットはホンダだけだったが、今回は多くの2足歩行ロボットが出展している。ROBODEXが与えたインパクトの結果ではないか」(平井常務)、「一般的に技術の進歩は緩やかになりつつあるが、ロボットに関する技術はものすごいスピードで進歩している。今回のROBODEXで注目すべきは大学の技術。企業に比べてデザインやアピールの仕方は下手かもしれないが、日本の大学は優秀で良い技術を持っていることを見てほしい」(土井上席常務)としている。

また、海外の報道陣から「日本はロボットの技術については進んでいるかもしれないが、あまりにヒューマノイドロボットに偏って力を入れているため、実際にロボットの市場ができたときに、要素技術などで他の国に後れを取るのではないか?」との質問が出た。これについては「ロボットの要素技術には、世界には(日本より)進んでいるものはある。日本はそうした要素技術をまとめて形にするのが得意であり、それに力を入れている。しかし、だからといって要素技術(開発)がおろそかになることはないと考えている」(平井常務)と答えた。これに関連して土井上席常務は「ソニーの場合はエンターテイメントロボットだけをやっている。私個人としては、エンターテイメントロボットが今後のロボット産業の大部分を占めると思っており、ソニーとしてはエンターテイメントロボットという特殊分野に賭けている。賭が正解かどうかは何年も経たないと分からない」とコメントした。

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三洋電機(株)とテムザックが共同開発した4足歩行ロボット『T7S TYPE2』
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無線操作で前身後身、左右旋回が可能な『マグダン』。京都大学の高橋智隆氏が開発した。モーターは1つしか使っていないという。名称、外装を変えて、5月に大手ラジコンメーカーが発売を予定しているという
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