新型CMOSセンサの実力は?
撮影サンプル1。D60で30秒の長時間露光したもの。元画像は2048×3072ドットだが、掲載用に480×640ドットにリサイズしている。 |
記録画素数は3072×2048ドットのほか、278万画素相当の2048×1360ドット、157万画素に相当する1536×1024ドットが選択できる(D30は最大2160×1440ドット)。記録フォーマットはJPEGの他に可逆圧縮のRAWが利用でき、RAW画像はPCで現像(JPEGやTIFFなどへの変換処理)が必要になるものの現像時にホワイトバランスやシャープネス、コントラスト、色の濃さ、色合いの調整が行える。
撮影サンプル3。スローシャッター時のノイズが少なく、最大30秒までのスローシャッターが効くので星の写真を撮ってみた。元画像は3027×2048ドットを640×427ドットにリサイズ(左)/640×480ドットにトリミング(右)。駅前の明るい場所で撮影したため、ホワイトバランスは蛍光灯に合わせてある。暗部にはまったくといっていいほどノイズは見られず、星の色もしっかりと判別できる。 |
撮影サンプル4。3027×2048ドットを640×427ドットにリサイズ。レンズ交換ができるため、マクロレンズから広角レンズ、望遠など、撮影範囲がぐっと広がるのがデジタル一眼の魅力だ。程良い大きさが有るため、ホールディングしやすく、しっかりと構えれば手ブレもしにくい。オートホワイトバランスで撮影したが色かぶりも無く、自然な発色だ。若干シャープネスが低いが現像パラメータで強めに設定すれば済む。 |
今回レビューした機種はまだ製品前段階の評価モデルなので正確な判断は行えないものの、試し撮りをした限りでは十分な性能を発揮できていると思う。まず最初に、D30に比べて起動時間やプレビュー、記録時間などが高速化しているのに気づく。連写機能も向上し、バッファの大容量化によってRAWデータでの連写が3コマだったD30に比べ、2倍以上の最大8コマ(すべての画像モード)まで可能になった。
撮影サンプル5。2048×3027ドットを427×640ドットにリサイズ。ハイライトとシャドー部の差が激しい状態で、絞り優先オートで-1の補正をかけたがシャドー部は潰れず、ハイライトも飛びきっていない、幅広い階調幅がある。コンシューマ向けの1/1.8インチや2/3インチCCDではここまで広い階調は味わえない。 |
夜景を撮影した画像でノイズの出方を見るとたしかにノイズが少ないのが判る。同時にD30のノイズリダクションありでも撮影したのだが、こちらはそれなりにノイズが除去されているものの、わずかに目に付く部分がある。ノイズリダクションが省略されたD60で、D30+ノイズリダクション以上に低ノイズの画像が得られたのは驚きだ。なお、感度を上げた際もノイズの発生は少なく、最大のISO1000では確かに画像が荒れた印象を受けるものの、ISO400までならば十分に実用域と言えるだろう。
撮影サンプル6。早咲きの桜の花びらがきれいに描写されている。淡い色も素直に発色している。色の出方は若干控えめな傾向にある。むしろ被写体に忠実に再現されている。派手目な色が好みの人なら現像パラメータで色を濃く設定すれば派手な発色になる。 |
EOS D60の主なスペック | |
製品名 | EOS D60 |
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撮像素子 | 22.7×15.1mm(1.07インチ)有効約630万(総650万)画素CMOSセンサ |
レンズ | キヤノンEFマウント |
記録画素数 | 3072×2048/2048×1360/1536×1024ドット(3:2) |
記録媒体 | CF TypeI/II |
液晶モニタ | 1.8インチTFT(約11万画素) |
シャッター速度 | 30~1/4000秒、bulb |
インターフェイス | USB、外部フラッシュ、リモートレリーズ |
電源 | 専用リチウムイオンバッテリ |
本体サイズ | 149.5(W)×75.0(D)×106.5(H)mm |
重量 | 780g(本体のみ) |