(株)ブリヂストンは20日、次世代電子ディスプレー用の新表示材料を開発したと発表した。
電子粉流体を利用した電子表示装置 |
開発した新材料は、従来の材料設計/加工技術にナノテクノロジーを利用して作り出したもので、粒子と液体の中間的特性を併せ持つ“新規状態物質(仮称:電子粉流体)”と言えるという。浮遊状態に近い高流動性を持ち、電気に敏感に反応するなどの性質があることから、電子ディスプレーに応用した場合、高速応答、高反射率、低消費電力、シンプルな構造を持つ製品ができるという。応答速度は一般の液晶の約100倍の数百マイクロ秒で、反射率は45%以上、液晶より視野角が広く、メモリー性を持つことから静止画表示時の消費電力を低減できる。構造も、基板間に新材料を封入するだけでよく、単純マトリックス駆動が行なえるという。
50円玉と比較 |
同社は、新材料を反射型液晶に代わるものとして本格的に開発を開始し、2003年末までに表示モジュールの完成を目指すとしており、携帯電話/ノートパソコン/PDAなどの携帯情報端末や“電子ペーパー”向けに展開するとしている。