AT＆Tグローバル・サービス(株)は15日、都内でブロードバンド・常時接続に対応した同社のソリューションを説明するセミナー“AT＆Tネットワークソリューションセミナー”を開催した。
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| “AT＆Tネットワークソリューションセミナー”会場には200人以上の参加者が集まった |
セミナーではまず、企業内ネットワークの現在の状況についての説明が行なわれた。それによると、企業の社内LANのトラフィックは1999年を1とすると2001年では2.41と、2倍以上に増加しているという。また、企業のインターネット接続の総帯域も2倍以上に増加している。
この現状を受けて、同社によると約66％の企業が2003年までにネットワークの再構築や増強を予定している。ただし、約80％の企業がネットワークの運用管理の作業負荷が高いと考えており、また過半数の企業はネットワーク運用管理者の質的・量的な不足が当分解消できないと考えているという。さらに、企業のネットワーク運用コストも1999年に比べて2001年では18.5％増加している。
そういった企業のニーズに対して、AT＆Tは“The Integrated VPN(Virtual Private Network)”で応えていく。同社のThe Integrated VPN(統合VPN)とは、ATM、フレームリレーやMPLS(Multi Protocol Label Switching)といった専用線上のIP-VPNと、インターネット上のVPNを統合した環境。米AT＆T Business社 Global Strategy担当のDave Foster(デイブ・フォスター)氏は「信頼性が高く、拡張性もあり、ローコストな」VPNだと説明した。
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| 米AT＆T Business社 Global Strategy担当のDave Foster氏 |
フォスター氏はセミナーで、「ユーザーのすべての環境をまたいだVPNを提供する」とも語った。同社はVPNへのアクセス環境として、オフィスのパソコンだけでなく、モバイル環境やPDAからのアクセスも想定している。
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| Windows用のダイヤルアップユーティリティ兼VPNクライアントの『Network Client』 |
たとえば、Windows用のダイヤルアップユーティリティ兼VPNクライアントの『Network Client』を使用すれば、ノートパソコンからカード型PHSなどを使用して、ダイヤルアップでVPNに接続できる。PDAからPHS経由でのアクセスも可能。AT＆Tが企業に提供する閉域IP網“セキュアIP”には、世界58ヵ国の約2000のアクセスポイントからアクセスできるという。
また、顧客企業が米シトリックス・システムズ(Citrix Systems)社のアプリケーション『MetaFrame』を導入したサーバーを用意すれば、OSとしてPocletPCを搭載したPDAを、MetaFrameサーバーを遠隔操作するクライアントとして利用できる。セミナーで行なわれたデモでは、PDAの画面上にWindowsのデスクトップ画面の一部が表示された。このPDAを利用したソリューションの導入を希望する企業に対しては、同社がPDAやサーバーなどのハードウェアの調達からシステムの導入まですべて行なうという。
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| PDAの画面上に表示されたWindowsのデスクトップ。拡大・縮小・表示領域の移動も行なえる。MetaFrameが使用するネットワーク帯域が64kbpsを超えることはほとんどないため、ダイヤルアップでも十分利用できるという |
なお、同社が提供するIPSec対応のブロードバンドルーター『NetGate 6100』などを利用して、ADSLからVPNを利用することもできる。同社では夏ごろを目処に、家庭からのアクセスも想定したNetGateルーターを提供する予定だという。
フォスター氏は、ネットワークとアプリケーションを統合して管理し、その上でビジネスにおけるイノベーションを起こすことが今のAT＆Tにとっての課題であり、またその解決法を同じ課題を抱える顧客企業へ提供できると語った。
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| 現在のAT＆Tの組織図。企業向け通信を提供するAT＆T Business、CATVを提供するAT＆T Broadband、携帯電話事業者のAT＆T Wireless、コンシューマー向け長距離電話サービスを提供するAT＆T Consumerの4社に分かれている。このうちAT＆T Broadbandは米Comcast社と合併してAT＆T Comcastとなる予定 |
