東日本旅客鉄道(株)(以下“JR東日本”)がアキハバラデパートを運営する(株)秋葉原の発行済株式数の60%を譲り受け、経営権を取得。この件については別記事でお知らせしているとおりだが、編集部ではさっそく(株)秋葉原の泰道真也常務取締役を直撃。今回の電撃買収を受け入れた狙い、そして今後について話を伺った。
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泰道真也氏 |
――単刀直入に伺いますが、今回の買収で運営権がJR東日本へ移るのですか?
泰道真也氏(以下“泰道”):いえ。今後もアキハバラデパートは(株)秋葉原が運営します。これからはJR東日本グループの(株)秋葉原が運営することになります。位置づけとしては「ルミネ」と同じですね。
――まだ発表から1日ですが、影響は出ていますか?
泰道:金融関係には事前に説明もしていますし、前にお話したように経営は安定していますから、特にこれといった混乱はありませんでした。“買収”という言葉に驚いた友人から「君の会社が買収されたそうだけど、大丈夫?」といった電話が朝から数本来た程度です(笑)
――JR東日本広報室へ確認したところ、「現時点では、今回の営業権取得によってアキハバラデパートの方向性に影響がでることはない」とのことでした。18日に予定されているグランドオープンへの影響は?
泰道:ありません。昨日株の売買が行われ、本日から新体制で動いていますが、グランドオープンに向けてすべて予定どおりです。
――買収の話はいつ頃持ち上がったものなのですか?
泰道:話というレベルであれば、数年前からになります。ここ数カ月はリニューアル計画と並行して細部の詰めを行っていました。
――今回の買収を受け入れた最大の理由は?
泰道:2005年に向けて先手を打ったということですね。以前に“フジヤマプロジェクト”も“先手”なのだとお話しましたが、今回も同様です。秋葉原駅周辺の再開発が進む中で、将来的に秋葉原駅も大きく変わりますが、そのなかでアキハバラデパートの可能性を考えたときに、たとえば売り場面積を現在の1000坪弱からさらに増やしていくとなると、これまで以上の、より大きな資本が必要になる。そんな状況に対応するため、先手でJR東日本さんの協力をいただいた、というところです。
――たとえば、常磐新線側にもアキハバラデパート進出という可能性がある?
泰道:常磐新線については青写真も何もないので、まだなんとも言えませんね。ただ、可能性はあると思います。
――買収による、アキハバラデパートとしてのメリットは何でしょうか?
泰道:JR東日本グループの企業として、みなさんからの信頼度が上がるのはいいことだと考えます。また、今後さまざまなカタチでJR東日本の持つノウハウを吸収できるのもメリットと言えますね。
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