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タカラ、リカちゃん35周年事業計画を発表――アイドルから1億円リカちゃんまで

2002年02月28日 23時58分更新

文● 編集部 桑本美鈴/増田悦子

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(株)タカラは28日、同社の人気玩具ブランド『リカちゃん』誕生35周年事業計画について発表した。

佐藤社長とダイヤモンドリカ
タカラの佐藤社長と、1億円の価値のある『ファンシーダイヤモンド・リカちゃん』

リカちゃんは'67年に登場した着せ替え人形で、2002年3月末までの累積販売総数は約4810万体になる見込み。同社はリカちゃん誕生35周年を機に、リカちゃんを玩具領域にとどまらないトータルブランドビジネスとして展開、コラボレーションやライセンスを中心としたビジネスを拡張するという。記念商品の発売やユーザー参加型のキャンペーンを実施するほか、異業種コラボレーションによる新規事業の立ち上げ、文化催事の実施、リカちゃんをテーマにしたイベントや書籍の出版などを行なう。

アイドルユニットLiccaデビュー!

異業種コラボレーションでは、(株)ホリプロ、ユニバーサルミュージック(株)のキティMMEとの共同事業として、リカちゃんと連動したアイドルユニット“Licca(リッカ)”を誕生させる。

Liccaのメンバーは、ホリプロ所属の酒井彩名さん(AYANA)、あびる優さん(YU)、そして昨年11月25日に実施された“第1回ホリプロ NEW STAR AUDITION~21世紀のリカちゃんはあなた!!~”においてグランプリを受賞した木南晴夏さん(HARUKA)の3名。

Licca
リカちゃんと連動したアイドルユニット“Licca(リッカ)”。左から、木南晴夏さん(HARUKA)、酒井彩名さん(AYANA)、あびる優さん(YU)

Liccaはデビューシングル『get back』を3月27日にリリース、TVなどさまざまなメディアで音楽活動、タレント活動および、リカちゃん35周年キャンペーンと連動した活動を行なうという。なお、同CDの初回限定盤には、特典として『リカちゃんキーホルダーLiccaヴァージョン』(3種類の限定モデルのうち1種類)と、『オリジナル限定モデルリカちゃん人形Liccaヴァージョン』が当たる応募券が付属する。

Liccaで当たるリカちゃん
“Licca”のデビューシングルCDと初回特典のキーホルダー、および抽選で当たる『オリジナル限定モデルリカちゃん人形Liccaヴァージョン』

またタカラは、Liccaの誕生に伴い、リカちゃんの2002年における年間テーマを“アイドル”とし、Liccaをイメージした商品『アイドルリカちゃん』シリーズを4月18日に発売する。

アイドルリカちゃんは、リカちゃんと“もえちゃん”、“みいちゃん”という計3人の女の子がアイドルユニット“ラブ・リカ”でデビューしたという設定で展開するシリーズ。リカちゃん(商品名『メイクアップアイドル リカちゃん』)はメイク遊びに、みいちゃん(『へんしんアイドル みいちゃん』)は着せ替え遊びに、もえちゃん(『ロングヘアーアイドル もえちゃん』)はヘアメイク遊びにそれぞれ特化しており、さまざまな“ごっこ遊び”を楽しめるという。

アイドルリカちゃん
『アイドルリカちゃん』シリーズ。リカちゃん、みいちゃん、もえちゃんの3種類

『メイクアップアイドル リカちゃん』は、リカちゃん人形にメイクペン3本、コットン6個、コンパクトケースが付属し、価格は2400円。『へんしんアイドル みいちゃん』は、みいちゃん人形にポップアップブーツ、リバーシブルスカート、付け毛付きハット、リバーシブルハット、めがね、コサージュ、星型専用スタンドが付属し、価格は2980円。『ロングヘアーアイドルもえちゃん』は、もえちゃん人形にヘアアクセサリー14個、ブラシ、ヘアゴム10個、カチューシャ、アクセサリーコンパクトフラワーリース2個、ワンタッチバンドル2本、ヘアクリップ2個が付属し、価格は2980円。また、ステージとドレッサー、クロゼットが一体となったアイドルリカちゃん用ハウス『アイドルリカちゃんドリームステージ』も同時発売となる。価格は3980円。

1億円リカちゃんも登場

また、リカちゃんがダイヤモンド・インフォメーション・センターよりダイヤモンドのPRキャラクターに選ばれたことを受け、タカラとダイヤモンド・インフォメーション・センターは、数多くのダイヤモンドを身に付けた『ファンシーダイヤモンド・リカちゃん』を共同制作した。

『ファンシーダイヤモンド・リカちゃん』は、計881個/総カラット数51.433カラットのダイヤモンドを身にまとった世界一豪華なリカちゃん。使用しているダイヤモンドの約半分が、ハート/マーキーズ/プリンセス/ペアという4種類のファンシーシェイプとなっている。非売品だが、価値は1億円程度とのこと。

ダイヤモンドリカ
総カラット数51.433カラットのダイヤモンドを身に付けた『ファンシーダイヤモンド・リカちゃん』。ちなみに台座は75.10gのプラチナ

タカラは、この『ファンシーダイヤモンド・リカちゃん』制作を記念し、『アニバーサリーファンシーダイヤモンド・リカちゃん』を5月に500体限定で発売する。『アニバーサリーファンシーダイヤモンド・リカちゃん』は、エンジ色のドレスを着ており、本物のハートシェイプダイヤモンドのネックレスと、ハート型の地金にセットされたラウンドダイヤモンドの指輪/ピアス/ブレスレットを身に付けている。価格は5万3000円。

リカちゃんハウスで遊べる!

さらに、富士急行(株)が運営するアミューズメントパーク“富士急ハイランド”(山梨県富士吉田市)に、リカちゃんをモチーフとした施設“リカちゃんタウン”が今夏登場する。

福島県小野町にある“リカちゃんキャッスル”が、リカちゃんの生まれる場所という位置付けであるのに対し、富士急ハイランドの“リカちゃんタウン”は、リカちゃんの世界で遊ぶことをテーマとしたもの。

リビングルーム/キッチン/パパの部屋/リカちゃんの部屋という5部屋で構成される等身大の“リカちゃんハウス”や、リカちゃんをイメージしたオープンテラスのカフェ“リカちゃんカフェ”、リカちゃんドレスを着てリカちゃんと記念撮影で着る“リカちゃん写真館”、人形や関連グッズなどを販売する“リカちゃんショップ”で構成される。

料金はリカちゃんハウスが300円、リカちゃん写真館が1000~2000円。なお、富士急行の中央高速バス富士五湖線では、ピンク色のボディーに6体のリカちゃんを描いた“リカちゃんラッピングバス”を運行する予定という。

そのほか、計画中の異業種コラボレーションとして、伊藤忠ファッションシステム(株)との協業によるファッションブランド“Licca With Happy Pappy”の展開(ティーンズ向けの新ファッションブランド。複数のアパレルがLicca With Happy Pappyという共通ブランドで商品を発売)、(株)ワコールとの協業による“リカちゃんキッズ・ジュニアキャンペーン”の実施(ワコールの今春キッズ/ジュニアウェアのキャンペーンにリカちゃんが登場し、パジャマの着用を普及促進する)、住友林業(株)との協業による商品開発構想(リカちゃんが成長した将来をイメージした知的で活動的な女性の住まいを研究開発する)などが予定されているという。

あの2代目リカちゃんが復刻!

タカラは、リカちゃん35周年記念商品として、'72~'81年までの11年間に販売された2代目リカちゃんを復刻した『復刻版2代目リカちゃん』(3種類)、35周年のシンボル商品『35周年アニバーサーリーリカちゃん』、第1号のリカちゃんハウス『ドリームハウス』を現代風にアレンジした『リカちゃんハウス(L1ハウスリニューアル)』、キーホルダー『MLBリカちゃんキーホルダー』をそれぞれ発売する。

『復刻版2代目リカちゃん』は、20代後半から30代前半の女性たちにとっての“思い出のリカちゃん”を復刻した商品。カールヘアに白いバラのピン、金属にくっつくマグネットシューズなど、2代目リカちゃんの特徴を再現している。“バトンガール”“ニューリカCFコート”“フリンジパンタロン”の3種類が用意される。3月15日発売で、価格はそれぞれ3500円。

復刻版2代目リカちゃん
2代目リカちゃんを復刻した『復刻版2代目リカちゃん』。現在のリカちゃん人形のターゲットは5~6歳の女児だが、そのお母さん層が年代的にいちばん遊んだであろうリカちゃんが“2代目リカちゃん”ということで、今回2代目が復刻された。桑本もそんな子供がいてもおかしくない年齢ということか~。がーん。

『35周年アニバーサーリーリカちゃん』は、ピンクとハートをモチーフにした35周年記念商品で、ピンク色の髪をした珍しいリカちゃん。ハート型のプチコンパクトが付属する。3月15日発売で、価格は3500円。なおこの『35周年アニバーサーリーリカちゃん』は、周年事業のシンボルマークとしても使われている。

35周年リカちゃん
35周年のシンボル商品『35周年アニバーサーリーリカちゃん』

『リカちゃんハウス(L1ハウスリニューアル)』は、'67年に販売された第1号のリカちゃんハウス『ドリームハウス』を現代風にアレンジした商品。リカちゃんの好きなピンク色を基調とし、ハート型をモチーフとしたハウスで、ベッド/ソファー/テーブル/ビーズカーテンが付属する。3月15日発売で、価格は2980円。

『MLBリカちゃんキーホルダー』は、タカラがMLBP(Major League Baseball Properties)から玩具商品化権を獲得し、約10cmのリカちゃんにMLBユニフォームを着せたキーホルダー。本日より発売された第1弾は“シアトルマリナーズ”“ニューヨークヤンキース”“ニューヨークメッツ”“クリーブランドインディアンズ”の4種類。さらに3月には第2弾として“シアトルマリナーズ(アウェイ)”“アリゾナダイヤモンドバックス”“サンフランシスコジャイアンツ”“テキサスレンジャーズ”を発売するという。価格はそれぞれ980円。

書店でリカちゃん人形を買える!

さらに、リカちゃんに関する本やDVDの出版も予定されている。まず(株)扶桑社は、27歳になったリカちゃんの日常を描いたフォト日記形式の書籍『LICCA DIARY』を4月25日に発売する。OL生活5年目のリカちゃんがファッションライターに転職、失敗しつつも恋に仕事にがんばる姿を描いたもの。

現実味を出すため、本に登場するリカちゃんの洋服は東京/代官山のセレクトショップ“Cher(シェール)”の春夏新作を採用、さらにリカちゃんのヘアスタイルは、東京/表参道のヘアーサロン“BEAUTRIUM(ビュートリアム)”のアートディレクターである川畑氏が実際にカットしたものだという。そのほか、ネイルサロン“ネイディーン”の高野氏による“リカちゃん限定ネイル”や、表参道のカフェ“ロータス”、東京/外苑前の和食創作料理“TAMA”、定食屋チェーン“大戸屋”なども登場する。

なお『LICCA DIARY』は、オリジナルのリカちゃん人形付きの限定版と、通常版(本のみ)の2種類が用意される。人形付き限定版は5800円(1万部発行)、通常版は1000円。

そのほか、今後幼児向けのリカちゃんムック本(ポプラ社)や、歴代リカちゃんの映像をフューチャーしたクラブミュージックDVDなどが出版される見込みという。

またタカラは、ユーザー参加型キャンペーンとして、アイドルリカちゃんのファッションを一般公募し優秀作品を商品化する“リカちゃんファッションデザインコンテンスト”、リカちゃんのCMモデルを公募する“リカちゃんCMモデル募集キャンペーン”を実施する(いずれも時期未定)。さらに、文化催事として“リカちゃん35周年展”(主催:日本玩具文化財団)や、“佐藤卓「リカちゃんデザイン展”などが行なわれるという。

同社代表取締役社長の佐藤慶太氏は、「タカラは'99年に再建計画を掲げ、さまざまな改革活動を進めてきた結果、ヒット商品を生み出し業績も回復したが、リカちゃんを復活させなければ本当の意味での復活にはならない。35周年を機にリカちゃんの世界観をさまざまな分野に広げる。サービスや商品として消費してもらうため、徹底したアライアンスを掲げ、さまざまなジャンルの有力企業と手を組み、リカちゃんをさまざまなフィールドで活躍させる。今日を契機にリカちゃんをさらに発展させ、永遠に残るキャラクター、世界にはばたくキャラクターとして育てたい」としている。

初代リカ初代リカちゃん('67~'71年)。ちょっとすました表情をしている。髪は栗色でパーマがかかっている。目は黒い瞳に白い星がひとつ。顔立ちは額が大きく、彫りが深い。耳が大きく張り出している。最も古いタイプは胴体が一体となっている
2代目リカ2代目リカちゃん('72~'81年)。ニューリカちゃんに一新。髪を真ん中から分け、バラのヘアピンをさしている。眉が細長く、鼻がやや高くなった。耳は依然大きく張り出し、あごもかなり張っている。瞳の星は3つに増えた。マグネットシューズにより立って歩けるのが特徴。桑本が“リカちゃん”と聞いて思い出すのがこの2代目リカちゃん。そうだよ~、リカちゃんと言えば白バラと真ん中分けの茶色いカールヘア、マグネットシューズだよ~(年がバレますな)。
3代目リカ3代目リカちゃん('82~'86年)。前髪をおろしてロングヘアーになった。髪の色は赤茶色。耳は小さく寝ていて、ピアスをつける穴があいている。あごも小さくなり、輪郭線は丸みの強いたぬき顔になってかわいらしさを増した。ボディの構造は2代目とほぼ同じだが、脚の開きが自然な角度になった
4代目リカ4代目リカちゃん('87年~現在)。顔はふっくらと丸く、瞳は少し垂れ気味に。表情はよりソフトになった。瞳の中の3つの星のほかに、黒目の横から白い短い裂線が入る。身長は1cm高くなり、少しグラマーになった
5代目リカ5代目リカちゃん('92年)。ピンキーピンクリカちゃん。25周年のスポット商品。髪は金髪というよりは、むしろ銀髪に近い。口の輪郭が変わり、あごは少しとがっている。ちゃんと自己主張のできる現代的な女の子のイメージ
リカちゃんハウス
リカちゃんハウス('68年)。1部屋の応接間からなるトランク型のハウス。背景がだまし絵となっていた。ロココ調の豪華なインテリアが少女たちのあこがれだった

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