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マイクロソフト、アジアの同社研究機関“Microsoft Research Asia”について説明

2002年02月28日 20時28分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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マイクロソフト(株)は28日、米マイクロソフト社の基礎研究所“Microsoft Research”(MSR)のうち、アジアを拠点とする“Microsoft Research Asia”(MSR Asia)について紹介するプレスセミナーを開催した。

所長の張博士
MSR Asiaについて説明を行なう所長の張亜勤博士

MSRは'91年に設立されたマイクロソフト独自のコンピューター科学研究機関で、40分野/620人の研究員が音声認識やユーザーインターフェース、プログラミングツールおよび方法論、OS、ネットワーク、グラフィックス、自然言語処理、数理学について研究を行なっているという。研究拠点は、米国(レドモンド/サンフランシスコ、中国、英国の4拠点。

ほぼすべてのマイクロソフト製品においてMSRのテクノロジーが採用されており、例として、Windows 2000の不具合自動検知、フォント技術のClearType、Intellimirrorなどがあるという。また、MSRの研究成果を活用した主な製品として、Windows Media Technologies、Windows CE、TabletPC、eBookなどがあげられる。さらに、今後新たな製品に採用されるテクノロジーとして、検索やナチュラルインプット、翻訳などでの自然言語処理、TabletPCやeBookでの音声/手書き入力および映像処理、著作権管理などがあるという。

MSR Asiaは、'98年11月に設立されたアジア地域における研究拠点で、アジアの学界と連携しながらさまざまな研究活動を行なっている。日本の学界との連携については、日本からの客員教授制度を導入し、日本から4人の研究所研究員と5人の客員研究員がMSR Asiaに参加している。また、日本の大学ともさまざまな学術交流を図っており、本日付けで東京大学との共同プログラムについて調印、今後の学術研究に関する協力体制を確立したという。

MRS Asiaで行なっている研究活動としては、デジタルメディアの研究、メディアネットワークの研究、さまざまなユーザーインターフェースの研究がある。デジタルメディア研究は、大量の情報をどのように検索/取得/閲覧するかというもので、プレスセミナーでは、任意のコンテンツを元に同じような画像の検索/取得を行なう“I-Find”や、動画によるTVエクスペリエンス“Q-Video”、写真/ビデオの索引を作成できる“MyPhoto”、ユーザー向けにパーソナライズされた検索機能とあらゆるデバイスで利用できる個人データ管理機能を提供する“MiXP”などが紹介された。

メディアネットワークの研究は、主にマルチメディア通信について行なわれており、メディア圧縮/転送技術“SMART(Scalable Media Adaptation and Robust Transport)”が紹介された。ネットワーク状態を予測してそれに適応することで、インターネット上やワイヤレス通信などでも従来より高画質な動画配信が可能という。ユーザーインターフェースについては、音声認識/合成技術“Mulan”や手書き入力技術“Truelnk”、ユニバーサルペンインタラクション“Upen”、中国語/日本語でのウィザードなどについて研究しているという。

MSR Asiaの所長である張亜勤博士は、「われわれのビジョンは、各研究分野において最先端の技術を展開し、革新的なテクノロジーをマイクロソフト製品に反映すること。地域内のトップレベルの大学と連携し、コンピューター科学研究を進めていく」としている。

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