静音電源ブーム火付け役のひとつとなったコンピュケース・ジャパンのHECブランドから新型モデルが登場した。トライコーポレーションのJustyブランド扱いでデビューした新モデルシリーズの名はなんと「電源大師」(英語名:POWER MASTER)。従来の落ち着いた緑のパッケージとはガラリと趣を変えた赤さと“真静音”の文字がひときわ目を引くパッケージで店頭に並んでいる。
シュリンクされたパッケージにはトライコーポレーションによるシールが貼られている。3月にはパッケージが同社オリジナルのものに変わる予定で、この赤いパッケージは初回ロットで見納めの可能性大 | “真静音”をうたうシール。「真に静音だから真静音と呼びます」とのこと。自信のあらわれか、2年保証がついている |
「HEC-525VD-T」。VD-Tシリーズではファンガードが金メッキ化され、高級感を醸し出している |
シリーズ型番“VD-T”が与えられたのは375Wモデル「HEC-375VD-T」、425Wモデル「HEC-425VD-T」、475Wモデル「HEC-475VD-T」、525Wモデル「HEC-525VD-T」の4製品。HECブランドの500W超級モデルが流通するのは今回がはじめてとなる。26日現在、在庫を確認できたのはCUSTOMのみで、価格は375W/425W/475W/525Wがそれぞれ8800円/1万1800円/1万4980円/1万9800円と、従来モデルよりも若干高めだ。
気になるのは従来モデルとの違いだが、コンピュケース・ジャパンによると、VD-Tシリーズで特に新機能が追加されたわけではないという。同シリーズは製造工程の厳密化によって従来シリーズよりも高負荷時の耐久性や安定性を上げたもので、特に425W/475W/525Wについては、電源内部構造の効率化により冷却効率をアップさせたものだとしている。価格面でも差別化がはかられているのを考えると、安定志向ユーザーに向けた一段上の高級モデルと言えるだろう。なお、オシャレなスチールケースとして話題になった「Noblesse」の現行モデルなどにも採用されている、静音とコストパフォーマンスを重視するユーザー向けの現行製品は併売するとのこと。
以上のような理由により、基本的なスペックはこれまでどおり。スペックを余裕で満たす大容量のコンデンサや、大きなヒートシンクは従来製品と変わっていない。一方でこれまで明らかになっていなかったツインファンの回転数が、排気用8cm角で1600rpm~3000rpm(19.0dB~29.5dB)、吸気用9cm角で1200rpm~2500rpm(17.0dB~27.4dB)と明らかになったのは嬉しいところだ。+5V/+3.3V出力は375Wモデルと425Wモデルが180W、475Wモデルが200W、525Wモデルが220W。電源を選ぶうえで、ただ静かなだけでは満足できないという人は一考してみてはいかが?
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