いち早く「光対応」をうたい、高スループットブロードバンドルータの代名詞的存在だったNetGenesis OPTに、2倍以上の高速なスループットを実現した上位モデルが登場した。その実力を検証してみよう。
光ファイバユーザーに
最も適した製品
低価格ブロードバンドルータの高スループット化が進む中で、いよいよ大本命と言える製品がリリースされた。「NetGenesis SuperOPT50」は、カタログスペックで最高57Mbpsという実効スループットを持ち、NTT東日本/NTT西日本のBフレッツに代表される、光ファイバを使った高速なインターネット接続サービスにも対応できるブロードバンドルータだ。
本体デザインは、これまでのNetGenesisシリーズの薄型横置きタイプの金属筐体とは異なり、「NetGenesis CATsW」から新たに採用された樹脂製で幅の広い縦型ボディに変更されている。フロントパネルにはLAN側として内蔵する4ポートスイッチングハブの各ポートとWAN側ポートの動作状態、および電源のオン/オフを確認できるLEDを装備する。背面にはLAN側用スイッチングハブの4つとWAN側用の計5つのEthernetポートを装備しており、いずれのポートも10BASE-T/100BASE-TXに対応する。またLAN側用の4ポートはすべてMDI/MDI-Xの自動切り替えをサポートするので、PC以外のハブやスイッチをカスケード接続する場合でもクロスやストレートといった結線の違いを意識する必要がないのは便利だ。
ハードウェアスペックは、CPUに日立の「SH4-167MHz」を採用しており、ここのところ続々と登場しているARM9ベースのCPUを搭載した実売価格1万円台前半のブロードバンドルータとは一線を画すパフォーマンスを実現しているという。実際に編集部でPCサーバとPCクライアントを使用したftpによる転送速度を計測したところ、46.3Mbpsという結果が得られた。メーカー公称値の57Mbpsには届かなかったものの、インターネット上の実際のデータ転送速度を考えれば、ベストエフォートタイプで最大100Mbpsのインターネット接続サービスを利用しているユーザーが十分満足できるパフォーマンスを持っていると言えよう。
写真1 前面のLEDはLAN/WANともに左側が100BASE-TXで接続時に点灯し、右側はリンクアップで点灯、データ転送時に点滅する。背面にはWAN/LAN用ポート以外にシリアルポートなどの切り抜き用パターンも確認でき、さまざまな回線に対応する製品のシリーズ展開が予想される。 |
図1 パケットフィルタは、すべてのパケットの透過あるいは遮断をベースに、送信元/先のIPアドレスやポート番号、外向き/内向きの区別、プロトコルなどを指定して詳細な設定が行える。デフォルトではNetBIOS関連のパケットのみ遮断し、それ以外はすべて透過する設定になっている。 |
機能的には、外向き/内向き双方向に送信元/送信先IPアドレス、およびポート番号を指定してのフィルタリング設定を64エントリ登録でき、ポートフォワードやDMZ機能によってサーバの公開やネットワークゲームへの対応が可能であるなど、一般的な家庭/SOHO向けブロードバンドルータとして十分なものを備えている。そのほか「NWG統合ツール」というユーティリティをインストールしたPC上でシステムのログを確認することができるので、ISPへ接続できないといったトラブルへの対処やパケットフィルタの動作確認などが簡単に行えるのもうれしいポイントだ。
価格はオープンプライスで、MR Direct価格は2万4800円となっている。個人で使うブロードバンドルータとしては高価だが、スループットにこだわるユーザーの期待を裏切らない実力を備えた製品だ。
NetGenesis SuperOPT50の主なスペック | |
製品名 | NetGenesis SuperOPT50 |
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WAN側インターフェイス | 10BASE-T/100BASE-TX |
LAN側インターフェイス | 10BASE-T/100BASE-TX×4 |
サイズ | 48(W)×200(D)×175(H)mm |
重量 | 約500g |