価格重視ではあるが
15インチ高性能液晶を搭載
液晶は15インチの大型パネルで,LaVie Cと同じ高輝度高視野角のものを搭載する。この液晶パネルは,NECの従来モデルの液晶よりも輝度が25%,視野角が30%向上したものだ。大型液晶は視点位置で上下部分の色合いが変わりやすいが,この液晶は目の位置が画面中心から多少ずれてもあまり変化は感じられず,良好な画質がコンスタントに得られるようになっている。解像度は1024×768ドット/26万色(ディザリングでフルカラー表示)と標準的なレベルだ。なお,液晶はDuron-900MHz搭載のLL500/1Dが14.1インチ,Duron-800MHzのLL300/1Aが13.3インチとサイズが若干ダウンし,さらに高輝度パネルではない通常の液晶となっているので注意してほしい。
ビデオチップは全モデル共通でATI RAGE MOBILITY-CL(ビデオメモリ4MB)を搭載する。ノート用3Dアクセラレータとしてはすでに旧世代前のチップであり決して速いとは言えず,ビデオメモリが4MBでは起動しない3Dゲームもあるだろう。実際,3DMark2000は1024×768ドット/6万色では起動せず,Quake 3D DEMOの結果も芳しくない。ホームユースとはいえ,3D機能も追求するとコストアップが厳しいということだろう。3Dゲームをプレイしないのならさほぼ重要視する必要はないので,ここは目をつぶって妥協するポイントである。ただ,3D性能以外だけでなく,PCの総合的なパフォーマンスを見るアプリケーションベンチマークテストの結果も,PentiumIII-1GHzを搭載したDynaBook G3やLaVie C LC900/1Dなどと比較すると,あまりよくないのは少々気になる点である。この結果がすべてビデオチップにあるとは断言できないが,GHzマシンとしては物足りない結果になっているのは残念だ。
スッキリしたボディは
オフィスユースにもマッチ
ボディカラーは外観をシルバーで統一し,キーボードは質感を高めるため,周辺部分とともにブラックで固めている。特殊ボタンが2つだけなので,見た目は非常にシンプルにまとまっており,家庭だけでなくオフィスでも違和感のないデザインで,幅広いターゲット層を想定しているのが伺える。本体サイズと重量は幅327×奥行き269.5×高さ41.5mm/3.5kgと,スタンダードA4ノートとしては大きく重めだが,これは大型液晶とFDDを内蔵しているためだ。もともとモバイルには向かないマシンなのであまり影響はないだろう。バッテリはパームレスト下に内蔵され,底面から着脱を行なう。容量は3800mAhと大きめだが,リチウムイオン式でなくニッケル水素式のパックを利用することでコストダウンを図っており,駆動時間はメーカー公称値で約2時間と短め。ロングランが求められるタイプではないので,この数値は仕方がないところだ。
本体底部にはこのバッテリパック用のスペースのほかにメモリ増設用のスロットが用意されている。アクセスするにはネジを1本回してカバーを外すと,増設用の144ピンSO-DIMMスロットのがひとつあり,ここへ最大256MBのメモリモジュールを装着すれば,メモリは最大の512MBとなる。HDDはパームレスト下に内蔵されており,アクセスするには底面4つのネジを回した後,パームレストのカバーを取り外す必要があり,換装作業は少々面倒だ。その他にボディの特徴をピックアップすると,底面左右奥にチルトスタンドが用意されているのが目に付いた。これを立てると本体後部の高さを約1cm高くしてキーボードに傾斜をつけることができる。傾斜がつくことでキータイプがやりやすくなるかどうかは人それぞれであるが,最近のA4ノートではチルトスタンドがない機種も多く,このような細かい配慮も忘れていない点は評価したい。
ブラックを基調としたキーボード。デスクトップ用と同じフルサイズのキーで,特にスポイルやデフォルメされたキーはない。 |
カーソルキーは他のキーよりやや小ぶりだが,一段下に配置されているのでブラインドタッチ時も補足しやすい。 |
カスタマイズボタンは2つと少な目だが複数アプリの起動可能など多機能。ウィザードが用意されているので,初心者でも簡単に設定が行なえる。 |
ポインティングデバイスはスクロールボタン付きのタッチパッドを搭載する。 |