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【オーバークロック研究室】Pentium 4-2.0AGHzのオーバークロック耐性を探る(後編)

2002年02月21日 00時00分更新

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●秘密兵器投入

 コア電圧を高くした条件において、このCPUの動作可能な最高クロックは2.46GHzと判明したわけだが、はたしてどの程度のパフォーマンスを示すのかベンチマークテストを走らせて調べてみた。ただし、メモリベースクロックは200MHzのままとしてアクセスタイミングは「CAS Latency=2、Activate to Precharge delay=5、DRAM RAS to CAS Delay=2、DRAM RAS Precharge=2、DRAM Idle Timer=0」に該当するパラメータ(前編で“Special data”と名付けた数値)をチップセットのレジスターへ書き込んだ(チップセットのレジスターに関しては前編を参照のこと)。各ベンチマークテストの結果は文末のグラフを参照していただくとして、やはり気になるのがメモリベースクロックである。ここで266MHzベースに高くすればさらなるパフォーマンスアップが期待できるが、メモリクロックは328MHz近くまで上昇する計算となり、前編でメモリエラーとなった292.6MHzを超えてしまう。つまり、手持ちのメモリでは動作しそうにないクロック配分となってしまうのだ。

DDR2700 チップ

 そこで秘密兵器ならぬニューカマーを登用することにした。それは、PC2700スペックのDDRメモリである。当然、i845D(マザーボード)はPC2700スペックのメモリをサポートしていないが、メモリそのもの耐性がより優れているならば高いメモリクロックとなる条件でも動作する可能性が高いと考えたからだ。今回のテストには、メモリチップにNanya製NT5DS16M8AT-6を実装した256MBのDIMMを使用する。まずは、前編でメモリエラーとなったFSB設定クロック110MHzを試してみた。

 当然、メモリベースクロックは266MHzにセットしメモリクロックは計算上292.6MHzでの動作を要求。前回はWindowsXPの起動途中でエラー表示ととともにシステムが停止したが、今度は無難にWindowsXPが起動した。試しに走らせたSuperπも無事に計算を完了することから、PC2100スペックのメモリとの違いが明確に感じられる。この調子でFSB設定クロックを高くしCPUの動作限界までついて来てくれたらしめたモノだ。しかし、アクセスタイミングを詰めた場合はどうだろうかと上述の"Special data"をチップセットに書き込んでSuperπを走らせてみたところ、10回目のループでエラーを表示し計算が中断する事態に。どうやら最速設定では無理があるようだ。そこでチップセットに書き込む数値をあれこれと策定してみたところ"Special data"より少し緩和させた「CAS Latency=2、Activate to Precharge delay=6、DRAM RAS to CAS Delay=2、DRAM RAS Precharge=3、DRAM Idle Timer=8」であればSuperπの計算が完了できるほど余裕ができることが判明。しかもFSB設定クロックを少し高くしてもついてこれそうな気配である。この条件でSuperπが計算可能な最高メモリクロックを調べてみると約310MHzであり、FSB設定クロックで言うところの116MHzに到達した。だがCPUの動作限界となる目標のFSB設定クロックには未だ届かない。



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