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【オーバークロック研究室】Pentium 4-2.0AGHzのオーバークロック耐性を探る(後編)

2002年02月21日 00時00分更新

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 Northwoodコア版Pentium 4プロセッサをその心臓部に組み込んだマシンがどれだけのパフォーマンスアップを図れるかを調査するこの企画。前編では、Pentium 4-2.0AGHzを用いて、オーバークロック研究室としては初めてのPentium 4マシンを完成させた。そしてコア電圧などは各々の規定値という条件のなかでどこまで高いクロックで動作するのか調べた結果は、既報の通りである。ただ、ベンチマークテストの結果を比較すると、あまり芳しくない結果となってしまった。

●コア電圧を高くしてオーバークロックにチャレンジ

Pentium 4マシン
オーバークロック研究室で初めて組み立てたPentium 4マシン。性格はおとなしいがメモリの好き嫌いはとても激しい

 「もっと上がって欲しかった」。前編で規定電圧におけるベンチマークテストの結果を得た時の感想である。ただしテストでは1個のPentium 4-2.0AGHzを調べた結果であり、市販されているPentium 4-2.0AGHz全てが同じ耐性とは限らない。CPUのオーバークロック耐性は生産ロットによって左右されると考えられているが、規定コア電圧でのオーバークロック耐性がより高いほど有利であることは言うまでもない。この結果は1つのデータとして参考にしていただき、読者には素晴らしいオーバークロック耐性を示すCPUが入手できる事を祈るばかりだ。

 さて、とにかくこのPentium 4-2.0AGHzを使ってベスト・パフォーマンスを導き出さねばならない。まずはセオリー通りにコア電圧を高く操作し、どこまで動作するのか調べてみた。コア電圧操作は、GA-8IRXPに標準で装備されている機能を活用する。セット可能な範囲は1.10V~1.85Vで0.025Vステップで用意されており、まず規定コア電圧より0.05V高い1.550Vを設定。そしてFSB設定クロックを順次高めつつ、ベンチマークテスト代わりにSuperπで104万桁を計算させた。なお、エラーあるいは動作困難となった場合には0.05Vステップで高くセットして行き、それぞれのコア電圧で動作可能なクロックを記録した。ただしCPUを痛めない配慮として上限は最高1.750Vまでとしている。またメモリエラーとの誤認を避けるため、メモリベースクロックは200MHzに設定。加えてアクセスタイミングはマザーボード側に委ね、こちら側からの操作はしない条件とした。結果は表1のグラフで示した通り、コア電圧のリミットとした1.750Vでは最高2.46GHzでの動作が確認され、23%アップのオーバークロック耐性を示した。



Superπ
コア電圧対動作クロック(動作判定はSuperπ104万桁の計算完了具合)。縦軸の単位はGHz

 ただ、このテストにおいて高いFSB設定クロックをセットした条件で、OSの終了オプションから「再起動」を選択しシャットダウンした場合、再起動後にシステムが無反応となる症状が発生した。この場合、電源を一旦落として再度パワーオンとすれば正常に起動可能であるが、一連の動きとコア電圧の関係を追ってみるとその原因が理解できた。端的に言うと、リセット後のコア電圧はBIOS SETUPでセットしたコア電圧に至るまでしばらくの間はCPUの規定コア電圧を出力している。したがって、たとえ最高のコア電圧をBIOS SETUPでセットしていたとしても実装したCPUの規定コア電圧における動作限界クロックを超えたオーバークロック設定を施した場合に再起動が困難となるわけだ。一方、一旦電源を落として再度入れ直した場合にはBIOS SETUPでセットしたコア電圧が即刻出力されるのでオーバークロック設定であっても無難に起動するのである。この辺りは、BIOSのアップデートで改善されるものかどうか不明だが、メーカーには何らかの対策を期待しておきたい。なお、テストではこの症状が発生したことによってその時のコア電圧におけるCPUの動作限界とは判定せずコア電圧アップの要因とはしていない。

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