撮影画像に関しては、レビューしたものが最終チューンの済んでいない試用版であるため製品版とは異なる可能性があるのだが、再現色を優先した発色や高い解像感、広角でも収差の少ない画像となっており、レンズ一体型デジタルカメラの中では非常に高い画質となっている。ただし、マクロモードにしても数cmまで近づけるとAFが効かず、マニュアルフォーカスを使わざるを得ないという点や、ISO感度を100以上(選択できるのは100/200/400/800相当)にするとノイズがかなり目立つ点など、一部不満もある。暗部の描写は良好だがハイライト部では白とびする傾向にあり、コントラストの高いシーンを撮るときはこまめに露出補正を行いたい。ただし残念なのは、露出補正(―2~+2EV、1/1.3ステップ)を指定するときにはいちいちメニューを呼び出さなくてはならず、できればカーソルキーなどで瞬時に変更できるようにしてほしかった。
撮影サンプル1。元画像は1600×1200ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。プログラムAE、F3.5、1/544秒(Exifデータ値)。 | 撮影サンプル1の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。シーンモードのクローズアップで撮影。きっちりとした質感と発色となっており、コンパクトカメラの中では良好な画質となっている。 |
撮影サンプル2。元画像は1600×1200ドットだが、640×4800ドットにリサイズしている。プログラムAE、F4.8、1/5秒(Exifデータ値)。 | 撮影サンプル2の左下を640×480ドットにトリミングしたもの。屋内の白熱電球下で撮影しており、外光も入ってきている状況だがオートホワイトバランスがうまく働いて色合いはかなり自然だ。 |
撮影サンプル3。元画像は1200×1600ドットだが480×640ドットにリサイズしている。プログラムAE、F2.7、1/208秒(Exifデータ値)。 | 撮影サンプル3の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。暗部に露出を合わせたため背景はとび気味だが、暗部階調表現は良好でノイズも少ない画像となった。 |
どちらかといえば質実剛健でゴツいイメージのある製品が多いニコンとしては珍しく、COOLPIX2500は「スタイリッシュ」で「カジュアル」なイメージを演出したデジタルカメラだ。この種のコンパクト“銀カメ”はシンプルな箱型ボディを採用する製品が多い中、COOLPIX995などの一連のシリーズで蓄積した回転レンズ機構を取り入れた意欲的なコンセプトは面白い。
COOLPIX2500の主なスペック | |
製品名 | COOLPIX2500 |
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撮像素子 | 1/2.7インチ有効200万(総211万)画素CCD |
レンズ | 光学3倍ズーム、f=5.6~16.8mm(35mmフィルムカメラ換算37~111mm)、F2.7~4.8 |
記録媒体 | CF TypeI(8MB付属) |
記録画素数 | 1600×1200/1280×960/1024×768/640×480ドット |
動画記録 | 320×240ドット(15フレーム/秒)、最大15秒 |
液晶モニタ | 1.5インチ低温ポリシリコンTFT(11万画素) |
シャッター速度 | 2~1/3000秒(自動) |
絞り | F2.7/4.5(自動) |
インターフェイス | USB |
電源 | 専用リチウムイオン充電池 |
本体サイズ | 約114(W)×31.5(D)×59.4(H)mm |
重量 | 約165g(本体のみ) |