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ドイツ産業見本市、5月に上海で開催する“CeBIT CES Consumer Electronics”について説明

2002年02月20日 22時17分更新

文● 編集部 佐々木千之

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ドイツ産業見本市(株)は20日、都内で記者説明会を開催し、5月に中国上海市の上海新国際見本市会場(SNIEC:ShangHai New International Expo Center)で開催予定の民生用電子製品見本市“CeBIT CES Consumer Electronics 2002(セビット シーイーエス・コンシューマー・エレクトロニクス)”と放送機器見本市“CeBIT Satellite, Broadcast, Cable & Networks 2002(セビット・サテライト・ブロードキャスト・ケーブル・アンド・ネットワークス)”について、ドイツ産業見本市社CeBIT Events国際総局長のミヒャエル・ホッペ(Michael Hoppe)氏が説明した。

ドイツ産業見本市社CeBIT Events国際総局長のミヒャエル・ホッペ氏
ドイツ産業見本市社CeBIT Events国際総局長のミヒャエル・ホッペ氏

ドイツ産業見本市社は、毎年3月にドイツ・ハノーバー市の国際見本市会場で開催する世界最大の国際情報通信技術見本市“CeBIT”や4月に開催する国際産業技術見本市“Hannover Messe”などを主催している。近年はドイツ外での見本市開催を手がけており、中国以外に、トルコ、タイで見本市を開催したほか、ベトナム、オーストラリアでも2002年中に開催を予定しているという。

ドイツ産業見本市社とCEAが共催するCeBIT CES Consumer Electronics

CeBIT CES Consumer Electronics 2002(以下CeBIT CES CE)は、今回が第1回で、5月29日から6月1日(中国時間)に上海新国際見本市会場で開催予定。CeBIT CES CEは、ラスベガスで毎年1月に民生電子製品見本市“International Consumer Electronics Show(CES)”を主催する米国の家電関連企業の団体“CEA(Consumer Electronics Association)”とドイツ産業見本市社の共同開催となることが、International CES 2002において1月8日(米国時間)に発表されている。

CeBIT CES CEの展示内容は、“コンピュータおよび情報技術”“民生用電子部品”“双方向エンターテイメントシステム”“セキュリティシステム、ソフトウェア、ゲーム、教育プログラム”“テレコミュニケーション”“ホームネットワーキング”という6つの部門に分類されて行なわれる予定。

中国のインターネット状況を示すグラフ。インターネットユーザーは急速に伸びており、2001年で2300万人に達しているという
中国のインターネット状況を示すグラフ。インターネットユーザーは急速に伸びており、2001年で2300万人に達しているという

ドイツ国際見本市社は2001年8月に上海で“CeBIT ASIA”を開催しているが、CeBIT ASIAとCeBIT CES CEとの違いについてホッペ氏は「CeBIT ASIAはテレコミュニケーションとIT技術に重点をおいた見本市で、主な来場者はビジネスマン。これに対してCeBIT CES CEは、オーディオ、テレビ、ビデオなどが中心で、一般消費者をターゲットにしている」と説明した。

CeBIT CES CEの出展社は現在も募集中だが、最終的には200社となる見込み。展示面積は1万1000m2(※1)で、2万人の来場者を予想しているという。

※1 参考値:東京・池袋のサンシャインシティコンベンションセンターの展示ホールの床面積(展示場面積)をすべて合わせると約1万2600m2になる。CeBIT CES CEの展示面積(展示ブース面積の合計)が1万1000m2で、通路などが含まれていないことを考慮すると、展示規模としては、サンシャインシティコンベンションセンター全ホールを使った展示会と同程度と推測される。

2000年のカラーテレビ、洗濯機、冷蔵庫、パソコンの販売台数を示したグラフ。カラーテレビはなんと1年で約4000万台も売れている。パソコンは670万台となっている
2000年のカラーテレビ、洗濯機、冷蔵庫、パソコンの販売台数を示したグラフ。カラーテレビはなんと1年で約4000万台も売れている。パソコンは670万台となっている

ホッペ氏によると、中国は13億人の人口を背景として、コンシューマーエレクトロニクスに対する消費人口だけでも2億5000万~3億5000万人という世界最大の市場という。2001年秋に中国がWTO(世界貿易機関)に加盟したこともあり、中国政府が特許などに関する法整備を進めることで、海外企業が輸出しやすい環境が整のうとしている。また、中国のユーザーは外国の製品を好んで使用するという傾向があるとして、CeBIT CES CEのような見本市が重要な役割を果たすとしている。

ホッペ氏は中国市場の大きさを示す数字をいくつか挙げた。2001年におけるテレビの普及台数は3億2000万台、これが2010年には5億台と予想されるという。DVDプレーヤーでは2010年に2億5000万台と予想。また、携帯電話は2001年ですでに1億3100万人のユーザーを抱えるなど、いずれも世界最大の市場規模だとしている。

中国の放送市場向けのCeBIT Satellite, Broadcast, Cable & Networks

CeBIT Satellite, Broadcast, Cable & Networks(以下 CeBIT SBCN)も今回が第1回目で、5月29日から31日まで開催予定。CeBIT CES CEと併催の形となるが、CeBIT SBCNは放送事業者向けの業務機器などが中心の展示会となっている。

CeBIT SBCNの展示内容は“衛星通信機器およびプラント”“放送システム、機器、サービス”“通信サービスプロバイダー”“無線通信システムおよびサービス”“ネットワークおよびケーブルソリューション”の5分野。出展社は募集中だが、最終的には150社が出展の見込みとしている。

中国には現在、テレビの地上局が980局、ケーブルテレビ局1300局、衛星放送が30チャンネル以上あるという。ここ数年の放送市場の伸びは15~17%と高く、中国は放送機器業界にとって非常に大きな市場になっているという。

CeBIT CES CE、CeBIT SBCNが開かれる上海新国際見本市会場
CeBIT CES CE、CeBIT SBCNが開かれる上海新国際見本市会場

なお両見本市の会場となる上海新国際見本市会場は、ドイツ産業見本市社と、ドイツのデュッセルドルフ見本市社(Messe Dusseldorf GmbH)、ミュンヘン見本市社(Messe Munchen GmbH)の3社および上海浦東地区開発公社が共同で建設したもので、2001年11月にオープンした。見本市会場として世界でも最新の設備を持つという。現在は1期工事が完了したところで、6万m2の展示スペースがあるが、今後5、6年かけて2期工事が行なわれ、最終的には23万m2という、アジア最大の見本市会場(※2)となる予定。

※2 参考値:日本コンベンションセンター(幕張メッセ)の展示場面積(展示ホール内のみ。会議棟等は除く。以下同)は6万2000m2。東京国際展示場(東京ビッグサイト)の展示場面積は8万6400m2。ラスベガスコンベンションセンターの展示場面積は9万6600m2。ハノーバー国際見本市会場の展示場面積は48万7800m2

ドイツ産業見本市社が主催して上海新国際見本市会場で開催する3つの見本市の開催予定
ドイツ産業見本市社が主催して上海新国際見本市会場で開催する3つの見本市の開催予定

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