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Let's note LIGHT CF-R1RCXR/Let's note PRO R1 CF-R1RWXP

Let's note LIGHT CF-R1RCXR/Let's note PRO R1 CF-R1RWXP

2002年02月20日 13時33分更新

文● ASCII24・内田泰仁

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省電力への徹底したコダワリ
内部はすべて3.3V駆動

 従来のLet's noteから大幅にイメージチェンジした本機だが、内部設計のブラッシュアップも充実している。

 CPUは超低電圧版Mobile Pentium III-M-700MHz、メモリは128MB(最大256MB、増設メモリはMicro DIMM)、HDDは20GB、ビデオチップはSilicon MotionのLynx 3DM+(ビデオメモリ4MB)、チップセットは440MXとなっている。このあたりのスペックは特に目新しいものではなく、ビデオチップやチップセットはむしろやや世代遅れな感もあるが、本機に採用されているチップ、パーツ類はすべて「3.3Vで駆動する」ことが必須条件として選択されている。従来のLet's noteでは、内部のチップやパーツは3.3V駆動と5V駆動のものが混在していたそうだが、内部部品をすべて3.3Vで統一することにより、総合的な低消費電力化を図っているのである。ビデオチップやチップセットには本機に搭載されているものよりも高性能のものももちろんあるわけだが、松下によると、低消費電力という面に注目して選定した場合は、前述の組み合わせが現段階ではベストとのことだ。開発にあたりネックになったのが5V駆動のものしかなかったHDDだということが、これについてはHDDメーカーと共同で3.3V駆動の製品を開発し搭載してきている。

 前述したように、本機のバッテリは高容量セルを用いた新開発のもので、4セルで4400mAh/7.4Vの容量を持つ。バッテリ駆動時間はカタログ値で6時間(JEITAのバッテリ駆動時間測定法による)となっており、外寸が本機のバッテリよりも大きい6セル・4000mAh/11.1Vのバッテリを搭載したCF-A2(自社基準で6時間)やCF-A3(JEITAの測定法で7時間)と比べても遜色ない。これこそが、内部パーツの総3.3V化による恩恵で、省電力設計にこだわったマシン内部のブラッシュアップの成果がはっきりと出ている。

本体左右側面。左側面にはSDカードスロット、外部モニタ出力、USB、LAN、モデム、ワイヤレスコムポートが、右側面にはPCカードスロットとUSBがそれぞれ配置されている。
 拡張ポート/スロット類は、USBが2ポート、TypeII×1のPCカード、そしてSDカードスロットを装備する。光ディスクドライブを内蔵しないサブノートPCなので、高速なデータ転送能力が必要なCD-R/RWドライブやDVD-ROMドライブなどを接続するためにもIEEE1394やUSB 2.0ポートなどを持たせてほしいところだが、本機の筐体サイズではポート類やコントローラチップの設置スペースに限りのあるので、このあたりはサイズとのトレードオフと割り切るしかない。なお、外部モニタ出力端子は小型の専用タイプで、変換ケーブル(オプション)を利用してモニタと接続する。

 通信機能は、モデムおよび10BASE-T/100BASE-TXのLAN、歴代Let's noteが搭載している携帯電話/PHS専用通信ポート「ワイヤレスコムポート」の3種類を装備する。無線LANやH”INといった無線通信機能は店頭モデルのLet's note LIGHTには装備されていないが、液晶パネルの両脇に取り付けられた鏡面仕上げのシルバープレートの内側には無線LANやH”INのアンテナを埋め込むスペースが確保されており、法人/ネット販売向けのLet's note R1では、無線LAN/H”IN内蔵のカスタムモデルも用意されている。



本体前面。ここには電源スイッチとオーディオ出力、マイク入力がレイアウトされている。背面にはポート類はない。

数少ないプリインストールソフトのうちのひとつ「ネットセレクター」。LANやダイヤルアップ接続といったネットワーク接続先を簡単に切り替えられる。
 プリインストールOSはWindows XP Professional。プリインストールのアプリケーションソフトは従来のLet's noteと同様に少なく、オフィスアプリもプリインストールしていない。このあたりは「AVノートPC」と銘打ち、映像編集など多くのアプリを持つ「人」シリーズと大きく違う点だ。初心者向けのマシンでは、最初から様々な用途に対応するため入門者向けソフトを多数プリインストールしている場合が多いが、モバイル用途重視のサブノートを求めるユーザーはある程度のPCの使用経験を持つケースも多く、多すぎる「使わない」プリインストールアプリはあまり歓迎されない。製品コストも考えると、シンプルなソフト環境は中~上級者にはありがたいポイントと考えていいだろう。

 価格はオープンプライスで、実売価格は20万円を切り、18万円程度になると予想される。これまでのLet's noteに比べ、ルックスの面では非常に大きな変化を遂げた本機だが、外見だけでなく中身の作り込みやモバイル性能へのこだわりは相変わらずだ。店頭モデルである本機では、今話題の無線LANやH”INといったワイヤレス通信機能が搭載されていないのがやや残念ではあるが、小型軽量な本体と20万円を切る価格は非常に魅力的で、モバイル用途にヘビーに使いたい人へ強くおすすめできる製品だ。



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