(株)日立製作所のNet-PDAベンチャーカンパニーは19日、無線LAN機能を内蔵した企業向けPDA『NPD-10JWL』を、4月下旬に発売すると発表した。価格はオープン(編集部による予想価格は5万円程度)。なお、同製品をコンシューマー向けに販売する予定は今のところないという。
 | 無線LAN機能を内蔵したPDA『NPD-10JWL』 |
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同製品は、IEEE802.11bに準拠した無線LAN機能を内蔵する。OSには、同日付けでマイクロソフトが発表した『Windows CE .NET』を採用している。これによって、VoIP(Voice over IP)に必要なリアルタイム通信などをサポートしており、オプションのマイク付きイヤホンと、Windows Messengerを用いれば、音声通話を行なえる。またセキュリティー機能として、KerberosやIPSecなどに対応する。同製品にはオプションとして、企業情報の保護のための、個人認証機能付きセキュアマルチメディアカード装着できる。MMC内のデータの暗号化が可能で、もしカードを紛失しても、情報漏洩の心配はないという。
 | オプションのマイク付きイヤホン。Windows Messengerを用いれば、音声通話を行なえる |
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CPUは“インテルXScaleマイクロアーキテクチャ”を採用したPXA250-400MHzを搭載し、内蔵のフラッシュメモリーは32MB。フロントライト付きの3.5インチ反射型TFTカラー液晶ディスプレー(240×320ドット、6万5536色)を搭載している。本体左側面にはジョグダイヤルを備えており、交通機関の中などペンタッチによる操作を行ないにくい場合にも、ジョグダイヤルですべての操作が可能となっている。
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| 左側面には、SDカードスロットとジョグダイヤルを備える |
外部インターフェースには、MMC/SDカードスロット×1、USBポート(MiniA)×1、マイク付きヘッドフォンポート(ステレオ)×1、クレードル接続ポート。また、オプションでPCカードアダプターや、コンパクトフラッシュカードアダプターを用意している。本体サイズは幅77×奥行き17.8×高さ108mmで重さは約160g。バッテリータイプはリチウムイオンで、動作時間は約10時間(使用環境により異なる)。
発表会において、同社カンパニー長＆CEOの松岡繁氏は「弊社のPDA事業のビジョンの根底は、モバイルの環境を変えていくんだという気持ち。“モバイルオフィスワーク”や、“モバイルライフスタイル”といった、新しい分野を開拓していく。PDAに無線LANを内蔵することにより、コミュニケーションの新しい形が創造できると考えている」
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| カンパニー長＆CEOの松岡繁氏 |
「家や会社のほか、出先にホットスポットという無線LANを利用できる場所が増えてきた。いずれ、いつでもどこでもネットに接続できる環境になると思う。ホットスポットから、VPNを使って社内のシステムと接続して仕事に活用できるし、またVoIPによって音声通話も行なえる。さまざまな場所で、自由に情報を手に入れられるようになるだろう」
「製品と同時に、さまざまなサービスも提供していきたい。弊社単独ではなく、コンテンツプロバイダーやインフラプロバイダーと広く提携を結んで、モバイル革新を進めていきたい」としている。
