ついに、リファレンスデザインでないRADEON 8500シリーズのカードが登場した。今回登場したのはベンダ不明のRADEON 8500LEカード「AT61DVP」。一部ショップではバルクとして、また一部ショップではエムシージェイブランドで販売が始まっている。
エムシージェイブランドの製品としても店頭に並んでいる。なお同社はこのRADEON 8500LEカードとあわせて、GeForce4 MX440カードも16日付で投入している |
こちらがATI Technologiesによるリファレンスデザインだ |
一見してこれまでのRADEON 8500/8500LEカードと異なっているのはメモリの配置。イレギュラーなカタチで275MHzが登場したJetway製品も、採用している部品などが大きく異なる一方で基本的な基板レイアウトはリファレンスどおりだったが、今回は並びどころか枚数すら異なっている。これまでRADEON 8500/8500LEカードといえば、判で押したようにhynix製の64Mbit DDR SDRAMを8枚、カードの表裏に4枚ずつ搭載していたのだが、AT61DVPはSamsung製の128Mbit DDR SDRAM 4枚をカードの表面に搭載して64MBを実現。このため、カード裏面は非常にすっきりとしたレイアウトになっている。
カード裏面。非常にすっきりとしている | Samsung製のメモリチップ。250MHz動作をサポートしており、RADEON 8500LEのスペックギリギリといったところ | インターフェイス。配置もリファレンスとは異なっている |
ドライバCD-ROMにプリントされていた“いかにもMade in Taiwan”という趣のパッケージ。確かに安そう?! |
オリジナルレイアウトのカードが登場する背景には一般に、ビデオチップの登場から時間が経過して各カードベンダにおけるパフォーマンス向上やコスト削減の研究開発が進んだことや、ビデオチップがある程度潤沢に出回るようになったことが挙げられる。そう考えると、最近の安価なRADEON 8500カード連発も納得でき、かつ今後さらなる低価格化も期待できそうだ。AT61DVPの価格はクレバリー1号店とWonderCityで2万5480円(バルク版)、USER'S SIDE本店で2万5800円(エムシージェイ版)と、決して安価というわけではない。だがひょっとすると、3月のCeBITで発表される、コアクロックを350MHzに上げたものといわれる「RADEON 8800/RADEON 8700」にあわせて、現行のRADEON 8500/8500LEシリーズは今後、台湾ベンダの価格競争によって大きく値を下げる可能性もある。
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