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テクマトリックス、Javaのユニットテストツール『Jtest4.2』を発売

2002年02月14日 23時54分更新

文● 編集部 田口敏之

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テクマトリックス(株)は14日、ソフトウェア開発者など向けに、米ParaSoft社が開発したJavaのユニットテストツール『Jtest4.2』の日本語版を発売すると発表した。

ParaSoftインターナショナルビジネス部部長のブライアン・ガイサー氏
ParaSoftインターナショナルビジネス部部長のブライアン・ガイサー氏

同社の調査によれば、ソフトウェアの開発のコストはバグの量に比例して増加し、ソフトウェアハウスなどは、テストおよびバグの検出と除去に、工数の約80%を費やしているのが現状だという。このような事態を回避するために、開発の最終段階ではなく、定期的にクラス単位のテストを行ない、バグの予防、および早期にバグの検出と修正を行なう必要がある。しかし、クラス単体のテストを行なうためには、テストドライバーやスタブなどといったテストデータを用意しなければならず、手間がかかってしまう。発表会で、ParaSoftインターナショナルビジネス部部長のブライアン・ガイサー(Brian Gaiser)氏は「このような困難に対して、何かお役に立てることがないだろうか、企業の開発手順を効率化できないかと考え、テストデータを自動生成し、クラス単位のテストを自動実行するシステム“Test Generation System”を開発した」と、製品の開発背景について述べた。

これをJavaプログラム向けのテストツールとしたのが『Jtest』で、このほか同社の製品として、C/C++向けのテストツール『C++Test』、UNIX向けのテストツール『SightVision』などがある。Jtestは2001年の2月に、テクマトリックスが日本語版『Jtest3.31』をリリースしている。

『Jtest4.2』の操作画面(画面は開発中のもの)
『Jtest4.2』の操作画面(画面は開発中のもの)

Jtestの特徴は、クラス単位のテストデータを自動的に生成し、自動でテストを行なえる点。テストは静的解析と動的解析の2段階に分かれている。静的解析では、同製品が用意しているJavaのコーディングルールに従ってソースコードを検証し、記述が誤っている、またはルールに違反しているコードを検出できる。コーディングルールには、ユーザーもしくは企業内で定めたオリジナルルールも追加できる。動的解析では、インプットデータを自動生成し、クラス単位でのテストを自動実行する“ホワイトボックステスト”、さまざまな結果を想定してテストデータを生成し、各インプットデータごとの仕様に従ったアウトプットを検証する“ブラックボックステスト”、すべてのインプットデータとアウトプットデータを自動保存しておき、前回のテスト結果と異なるケースをレポートする“回帰テスト”を自動的に実行する。

DbCを実行した様子。検証作業を効率よく行なえるという
DbCを実行した様子。検証作業を効率よく行なえるという

Jtest4.2では新しく“Design by Contract(DbC)”という手法を採用している。DbCは、プログラムの仕様をソースコード内に明示することで、不要なテストデータを除去し、検証作業を効率良く行なえるようにする手法。例えば、年齢をカウントするプログラムなどでは、入力値が0以下になることは基本的にあり得ないが、以前のバージョンでは、マイナスの数値も含めた、広範囲な数値のテストデータを自動生成してしまっていたという。この手法は、バートランド・メイヤー(Bertrand Meyer)氏が提唱したもので、Eiffel言語などに実装されているという。このほかの新機能としては、これまで顧客から「今ひとつ」と言われてきたという、サーブレット(ウェブサーバーで動作するJavaプログラム)の検証機能を強化したことや、JSP(JavaServer Pages)およびEJB(Enterprise JavaBeans)の自動テスト機能を備えたことなどが挙げられる。また、コーディングルールは新たに159個を追加して、合計331個となっている。

テクマトリックスのASQソリューション営業課課長の深山隆行氏
テクマトリックスのASQソリューション営業課課長の深山隆行氏

テクマトリックスのASQソリューション営業課課長の深山隆行氏は、Jtest4.2について「今回のバージョンアップの目玉は、DbCを採用していること。これによってテストの効率を格段に向上させられる。また、Javaは開発言語としては、比較的まだ新しい言語なので、決められたコーディングルールが存在しない。だから、Jtestが搭載しているコーディングルールは、開発者などに非常にありがたがられることが多い」と語った。

Jtest4.2の対応OSは、Windows NT 4.0/2000で、今後LinuxやSolarisにも対応するという。価格は、製品単体で49万8000円、年間保証サービス付きで54万8000円となる。同日付けで受注を開始し、3月下旬に出荷開始する予定。販売は、テクマトリックスからの直販および、代理店経由で行なう。すでにJtest3.31を利用しているユーザーは、12万円でアップデートが可能。また、年間保守サービス(年間12万円)を利用していれば、無償でアップデートが可能。同社では、500ライセンスのJtest3.31のシェアと合わせて、初年度1000ライセンスの販売を目標としている。

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