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米シンク・スリー、日本法人“シンク・スリー株式会社”を設立すると発表

2002年02月13日 16時59分更新

文● 編集部 今井睦俊

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米シンク・スリー(think3)社は13日、都内で記者発表会を開催し、同社の日本法人として“シンク・スリー株式会社”を設立すると発表した。代表取締役社長には、米国本社の日本担当副社長である川口亨氏が就任。事務所を東京都千代田区霞ヶ関3-2-5 霞ヶ関ビルディング31階に開設。設立のための登記を3月1日に完了するとしている。記者発表会には、川口代表取締役社長のほか、米国本社のジョセフ・B・コステロ(Joseph B. Costello)会長兼CEO、先進技術研究開発担当のアラン・マサボ(Alain Massabo)副社長が出席した。

ジョセフ・B・コステロ会長兼CEO
米国本社のジョセフ・B・コステロ会長兼CEO

米シンク・スリーは、1979年にイタリアのボローニャに設立されたCad.Lab社を前身とする機械設計支援ソフト(MCAD/PDM)の開発/販売/サービスを事業とする企業。1998年に世界規模のマーケティング活動を行なうため、カリフォルニア州のサンタクララに本社を移転し、社名を現在のものに変更した。マサチューセッツ州のボストン、ユタ州のソルトレイク、イタリアのボローニャ、フランスのマルセイユ、インドのバンガロールなど、世界各地に技術開発のための拠点を置いている。主な製品は、3次元モデリングベースの設計支援ソフト(MCAD)の『thinkdesign』、設計データ管理ソフト(PDM)の『thinkteam』など。全世界でユーザー数が7500人、インストール数が4万本としている。

川口亨代表取締役社長
日本法人の川口亨代表取締役社長

記者発表会の冒頭で、コステロ会長が日本法人の設立目的などについて説明。「日本市場は、バブル崩壊の影響で、1990年代に欧米と比べてMCADを導入するために充分な投資をしてこなかった」と指摘。このため、「複雑で高価な第2世代をスキップして、簡易で安価な第3世代を導入できる」と強調した。同氏は、MCAD分野において、「日本市場には、世界で最も大きなビジネスチャンスがある」と述べ、「日本で成功を収めるためには、日本人によるセールスとマーケティング活動が必要」と語った。また、製品には、日本語化に加え、日本独自の機能拡張など、日本市場に合うように修正を施すとしている。

アラン・マサボ副社長
先進技術研究開発担当のアラン・マサボ副社長

次に、川口社長が日本市場におけるビジネス戦略について説明。日本国内のビジネスパートナーとの協調関係を重視し、技術支援やパートナートレーニングなどのバックアップを積極的に行っていくとしている。また、製品の販売では、ライセンス販売や年間保守契約などの従来方式に並行して、毎年契約を更新する“サブスクリプション方式”を導入。ユーザーは、ライセンス料金や年間保守料金を払わなくても、年度ごとに必要な本数のみを契約し、バージョンアップやメンテナンスなどを受けられるという。同方式の米国での料金は1995ドル(約26万円)となっている。さらに、同氏は、「近い将来、日本独自の機能追加のために、製品のソースコードを基にした開発を日本国内でも行ないたい」と抱負を語った。初年度の売上目標は、3億円~3億5000万円としている。

デモの画面
製品のデモの画面。板金設計で完成イメージを表示しているところ

最後に、マサボ副社長が製品概要について説明を行なった。MCADシステムのthinkdesignでは、自由曲面生成機能を搭載するため、意匠や工業デザインなどが可能。工業製品などの設計作業では、意匠/構想設計から詳細設計へシームレスに移行できるという。また、データ交換では、IGESやSTEPなどの標準に準拠するほか、他社製CADシステムのデータにも対応する。また、設計データ管理システムのthinkteamは、工業製品のライフサイクル管理を含めて、部品表などのデータを管理できるとしてる。

“Quick split機能”
任意の切断面でモデルを分割する“Quick split機能”のデモ画面

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