東日本電信電話(株)は8日、通信・放送機構(TAO)からの委託研究“広帯域DSL網の研究開発”において、アナログモデムからのダイヤルアップ接続によりADSLの伝送速度を開通前に推定できるシステムの実験を12日に開始すると発表した。実験期間は1年。
この実験は、TAOが実施する研究をNTT東日本が受託して行なうもので、エンドユーザーが実験に参加できる。ユーザーが測定用プログラムを利用してシステムにアクセスすると、システムがADSL伝送速度(下り速度)を推定し、その結果をユーザーに電子メールで通知する。実験システムの利用料金は無料。ただし、つくば市内に設置されているサーバーまでの通信料金はユーザーの負担となる(約1分×3回)。
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システムの概要 |
実験には、米Telcordia Technologies社の“TDLQS(Telcordia DSL Loop Qualification Service)”システムを日本のネットワーク環境向けにローカライズしたシステムを利用し、メタルケーブル区間における音声帯域での信号の劣化を測定することで下りの伝送速度を推定する。対象となるADSL方式は、下り1.5Mbpsタイプ(G.lite ANNEX A、G.lite ANNEX C)、下り8Mbpsタイプ(G.dmt ANNEX A、G.dmt ANNEX C)の4方式。
同社では、得られた推定速度の比較などを基にシステム評価を行ない、実験結果をTAOに報告するという。
