【買う買う団員プロフィール】
小林久
アスキーPC Explorerの編集者として2度目の登場。相変わらずイタリア人になるのを夢見つつ、PDAやらノートPCやらを次々に購入しては周囲の編集者に見せびらかす毎日を過ごしている。さあ公開というタイミングで話を聞きに行ったら「クライアントソフトが入ってなくて、リモートデスクトップで使えない。いきなり使い途が思い当たらなくなった」と嘆き節。さて、今回購入したのは?
昨年末に新宿の某量販店で、韓国製のPDA「PC E-Phone II」を見つけた。電話機内蔵のPDAとして韓国で売られている「PC E-Phone」を日本向けにカスタマイズしたものだ。
この製品の見どころは「VGA表示に対応したTFT液晶を搭載する」という1点に尽きる。4インチと手のひらサイズのパネルに200ppiの高精細なドットが凝縮されているわけだ。この製品を初めて知ったのは約1年前(2001年1月)で、CES(Consumer Electronics Show)の取材から帰ってきたASCII24の佐々木氏が「韓国企業から変わったPDA型の電話機が出てたよ」と教えてくれた。会場ではスタイラスとしても使える、Bluetoothで接続できる受話器というのが一緒に出展されていた。しかし後日、韓国で製品化された際は、PDA本体を耳に当てて使う仕様になったと聞いて、少しがっかりした記憶がある。
手のひらにVGAのWindows GUIが
この製品は、半年ぐらい前に日本の展示会でも登場するようになり、国内で販売されることもウェブサイトなどを通じて知った。しかし、実売6万9800円では実際に購入するのはツライなというのが正直なところ。もう少し安ければ「ちょっと試し」にという気にもなるが、伊達や酔狂で購入する金額ではない。また、本機はWindows CEベースだが、独自にカスタマイズしているので、Handheld PCやPocket PCのソフトがすべて使えるわけではない。このヘンも少々引っかかった部分だ。
圧巻のVGA液晶。Akiba2GO!もくっきり |
その考えが実機を目にして一転したのは言うまでもない。液晶がとにかくキレイなのだ。言葉では上手く伝えられないが、慣れ親しんだWindowsのGUIを手のひらの上に収める感覚は堪えきれない。これはある意味感動的だ。極小ドットとはいっても視認性は高く、もちろん日本語もハッキリと読める。参考までに当社ウェブサイトの画面を載せるが、まったく問題なく表示されているのがわかるだろう。機会があったらみなさんも体験しほしい。ホント、クセになるから。
VGA液晶を搭載したサイバーバンクジャパンの「PC-EPhoneII」。韓国の焼餅に似ているかどうかは各自のご判断にお任せする |
デザインに関しては見たとおりかなり無骨な感じではあるが、丸く平らな本機の形状は月刊アスキーの遠藤編集長に言わせると「新大久保のドンキで売っているホットク(韓国風焼餅)みたいで可愛い」のだという。……私にはせいぜいポータブルCDプレーヤぐらいにしか見えないが、インパクトがある力強いものであるのは確かだろう。実際、編集部で触っていると、ほぼ100%の確率で新しもの好きの編集者が集まってくる。「こんだけ本体がでかいならキーボードも欲しいな!! ていうか作るか」(ユキマサ)とか「この十字キーとボタンの配置まさにファ○コンですよね。メモリも十分にあるし、もごもご(都合により以下省略)」(新人イトー)「確かに画面広いけど、どんな人が使うのこれ?」(副編サクマ)とか口々に感想を漏らしていく(さすがに買いたいと言っている人は見かけなかったが)。
まあ、見た目のインパクトと画面を除くとイマイチ明確な用途が見えてこないのは確かだが、予想どおりウェブサイトはヒジョーに快適に見られる。心配していたアプリもHandheld PC用のものなら比較的動くようだ。画面解像度が高いのでフル画面にすると少々ツラいが、MPEG再生ソフトのPocket TVなども問題なく動いている。ノートみたいに仰々しくないので「ながらウェブ族」には結構快適な端末だ。外でふと生じた疑問もすぐにウェブで調べられる。