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パソコンを使ってひとりで見よう!――ブロードバンド向け映像配信サイト“digi-KISHIN”

2002年02月05日 03時03分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)小学館は4日、ブロードバンド向け映像配信サイト“digi-KISHIN”のマスコミ向け上映会を都内で開催した。

篠山紀信氏
digi-KISHINを見られないという人たちが多いため、今回の上映会を開催したという篠山氏。手にしているのは20日発売の『digi-KISHIN DVD』

digi-KISHINは、写真家/篠山紀信氏が撮り下ろした動画/静止画を組み合わせたグラビア映像を配信するサイト。昨年12月に会員制有料サイトとしてオープンした。digi-KISHINとは、サイト名であるとともに、篠山氏のこのプロジェクトのためのクリエイターネームでもある。

トータルディレクターと撮影は、篠山氏ことdigi-KISHIN。デジタルカメラおよびデジタルビデオカメラを用いて静止画と動画を撮影したという。映像とウェブデザインはアートディレクターの宮坂淳氏、音響プロデュースは音楽家の清水靖晃氏。グラビアに登場する女性陣は、有名/無名女優や新人など独自のオーディションで選んだという。

1作品は7~8分程度。スタート時に50作品、以後毎週1作品ずつ追加更新している。映像は画質のクオリティーごとにHigh、Middle、Lowの3種類が用意されている。ストリーミング方式で映像を閲覧する場合の通信速度(下り)は、Highが1.5Mbps以上、Middleが768kbps以上、Lowが384kbps以上が必要。

また、ナローバンドユーザー向けに、ダウンロード方式でも映像を閲覧できるようになっている。映像データのダウンロード時間の目安は、ISDNを利用した場合で、Highが2時間、Middleが1時間、Lowが30分だという。

対応OSはWindows 98/Me/2000/XP。また、Macromedia Flash 5とWindows Media Player 7.0以上が必要。CPUの動作速度は、HighでPentium-750MHz以上、Middleで500MHz以上、Lowで333MHz以上が必要。なお、Macintosh対応については現在対策中という。

料金は、1作品を閲覧する場合1週間で300円、1ヵ月で500円。5作品を閲覧する場合1週間で700円、1ヵ月で900円。全作品閲覧可能な月極会員料は月額1500円。それぞれストリーミング、ダウンロードとも閲覧可能。決済方法は、クレジットカード決済、およびBIGLOBE課金による決済。

上映会に登場した篠山氏は、「『“digi-KISHINの名前は知っているが見たことがない。見られないんだ』という人が多い。これはブロードバンド環境が十分整っていないからだ。また、Macintoshに対応していない、古いパソコンでは閲覧できないなどの問題もある。私としては作品をちゃんと見ていただかなければ話にならない。現在は環境が整うのを待っている状態だ」

「digi-KISHINは、今までの映画やビデオ、TV、写真とは違う。作品にストーリーがない、テーマがない、台詞がない、ストーリーを表現する音楽もない、説教がましいところもない。ないないづくしだ。この“ない”ということは、見る側にいろいろ考えさせる。隙間がたくさんあるのでそこに自分の気持ちや考えが自然と入る。作品は、時間の断片を切り取ったようなもので、映画などの完結した世界よりも、見る側に無限の時間を与えられるだろう」

「例えば『せせらぎ』という作品は、女性がせせらぎの中を戯れているというものだが、見ている途中で、動画から静止画に切り替わっても、せせらぎの音が流れて続けていれば、動いているかのように見える。さらにせせらぎの音が止まっても、音が聞こえるかのように、女性が動いているかのように見える。これは、見る側である私たちの心が動かしているのだ。作品の中の女性たちと心の交換ができると思う」としている。

また、小学館は、digi-KISHINを閲覧できない人や、パソコンを所有していない人向けに、DVDタイトル『digi-KISHIN DVD』を20日に発売、以後2ヵ月ごとにシリーズ刊行するという。DVD版は、サイトで配信しているいくつかの作品を、全体でひとつの映像作品になるよう再編集したもの。第1弾に登場する女性は白鳥智恵子さん。価格は2800円。

上映会には、白鳥智恵子さんも登場、「digi-KISHINは、イメージビデオでも写真集でもなく、頭で考えていたものとは違いました。この斬新な作品に参加できて光栄です」とコメントした。

白鳥智恵子さん
digi-KISHINの作品に登場する女性のひとり、白鳥智恵子さん。作品では窓を取り外したヘリコプターに乗り、東京上空を飛び回っている。「初めてのヘリコプター体験が、“窓のないヘリコプターに何も着ないで乗る”というものだったので、普通のヘリコプターがどういうものか、いまだに分かりません(笑)」

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