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PCG-C1MRX

PCG-C1MRX

2002年02月02日 01時32分更新

文● 別冊ASCII編集部・遠藤さちえ

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発熱性への気配りは○
バッテリ駆動時間はもうひといき

キーボード、ポインティングデバイス、液晶パネル部の全景。
 CPUは,最新のCrusoe TM5800を搭載し,クロック周波数は733MHzと,前モデルC1VSXの667MHzを大きく上回っている。なお,バッテリ駆動時のクロック数は333MHz~733MHzの間で変化する。メモリは,128MBのDDR SDRAMをオンボードに搭載,加えて増設スロットには128MB SDRAMを標準装備しており,すでに最大メモリ256MBを搭載している。ただし,このうち16MBは,Crusoeがx86命令をCrusoe上で解釈して動作できるようにエミュレートするためのCMS(Code Morphing Soft)に使われるので実質240MBとなる。グラフィックスは,8MBのVRAMを内蔵したATI TechnorogiesのMOBILITY RADEON-Mを搭載した。ハードディスクは,30GBとMPEG-2ハードウェアエンコーダを利用することを考えても,映像ファイルの保存にも充分な容量といえる。

 液晶ディスプレイは,サイズこそ8.9インチと変わらないが,XGAからSXGAへとバージョンアップし,従来の1024×480ドットから1280×600ドットの高解像度を実現。これにより,縦長表示が多いWebブラウザやアプリケーション画面も,以前ほどこまめにスクロールさせなくても快適に閲覧できるようになった。また,CRT外部出力では,最大解像度1600×1200ドットにも対応している。ただし,解像度が上がった分,表示される文字も当然小さくなるため,見えにくいと感じる人もいるだろう。



嬉しいことに標準でワイヤレスLANカードが添付する。また,外部I/O端子を集めた「ポートリプリケータ」で有線LANも装備。
 ネットワーク通信機能も強力になり,リプリケータのEthernetポートに加え,IEEE802.11bのワイヤレスLANカードを標準で同梱しているのが特徴。もちろん,従来から装備されているBluetoothも健在だ。Bluetoothのスイッチも,押されているか上がっているのか分かりにくいプッシュ型のボタンから,ON/OFFスイッチになったため,ワイヤレスLAN使用時には電磁波の干渉を避けるために切るということがたやすくできるようになった。通信機能の部分だけに注目すると,人気のバイオノートSRと同じということになる。C1MRXのモバイル力がより高められた形だ。

 こうしたハードウェアスペックからすると,処理速度にも期待がかかるが,アプリベンチの結果(詳しくは別冊ASCII No.4本誌P.115を参照のこと)では解像度などの問題もあって,今回のレビュー機種の中では遅いという残念な結果に終わってしまい,あまり奮わなかった。しかし,一方で発熱性の測定では及第点といっていい値を出している。次に,バッテリベンチの結果を見ると,ただでさえ小さい文字が,省電力で液晶の輝度が暗くなってさらに見えにくいにもかかわらず,約2時間という数値はモバイルノートとしては少々物足りない気がする。特に,今回からMPEG-2形式での動画キャプチャに対応したことで,外出先などでのちょっと録画したいというニーズも増えるであろうことを考えると,標準バッテリで,もう少し長く持ってほしいところだ。しかし,重量とトレードオフにはなってしまうが,別売のLバッテリを使用すれば約4時間以上は駆動時間が伸びる。Lバッテリが約350gなので,Sバッテリを外した本体836gと合計すると約1.28kgになるが,それでも今回のレビュー機種の中でも2番目に軽いほうだ。また,出先で電源が確保できることがわかっているならば,ACアダプタが約250gとバッテリよりも軽量なので,そちらを持っていくという手も考慮に入れていいだろう。



本体左右側面。
本体前面および背面。

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