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NPC、電子市場を活性化するビジネスアプリケーション“DCA Enterprise Edition Ver1.0”を発表

2002年01月29日 19時31分更新

文● 編集部 田口敏之

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(株)エヌピーシーシステムドットコムは29日、B2Bの電子商取引市場を対象に、市場活性化を図るビジネスモデルを構築するためのビジネスアプリケーション“DCA Enterprise Edition Ver1.0”(以下DCA 1.0)の販売を開始すると発表した。

DCA 1.0は、“売り手”と“買い手”の双方が匿名で、売買を価格非公開の指し値方式で行なうシステム。特徴は、売値と買値が一致しない場合でも、市場運営者によって差額の補填を行ない、取引を成立させられること。成約数を増やし、流通量を増大させ、市場を活性化させるのが狙い。市場運営者がサーバーを運用し、市場参加者はクライアントパソコンから匿名で電子商取引に参加できる。なお取引はすべて、SSLによって暗号化する。

DAC 1.0による市場形態の概略図
DAC 1.0による市場形態の概略図

市場運営者が、売値よりも買値が高い取引を成立させた場合は、運営者がその差額を受け取る。得た差益は、売値よりも買値が低い取引を成立させた場合の補填として利用する。取引条件は、企業同士のマッチングを行なう際に、市場運営者が適時設定できる。たとえば差額の補填を行なわないことで差益を優先したり、差額が発生しても補填を行ない、取引の成立数を増やして、全体的な流通量の増大を優先させることが可能。また売り手側による、最低入札額や、取引数量ごとのディスカウントの設定なども可能で、市場全体のバランスを保てるようになっている。

売り手の設定画面売り手の設定画面。上の折れ線グラフは市場全体の価格変動を表わしている。この例では、5個までなら定額で売買を行ない、6個以上からならディスカウントを行なうという条件を付けている

このビジネスモデルを考案した、同社代表取締役社長の道城真人氏は「現在のeコマース市場ではオープンな取引が行なわれているが、オープンによるメリットはあるのだろうか。在庫状況や取引量などを競合他社に知られると、取引の際に出し抜かれたり、また買い手から買い叩かれたりすることもあり、利幅の薄い取引を強いられ、サイトを運営していくだけのコストを得られていないのが現状ではないだろうか。DCA 1.0による市場には匿名で参加できるので、無数の競争相手と価格競争をする必要がない上に、新企業が参加しやすいので、売り手も買い手も取引をいつでも迅速に行なえるようになる」としている。資材調達、商社、金融、小売り、食品市場などを対象とし、すでに国内の食品・食材分野で電子市場を運営している(株)インフォマートなどへの導入が決定しているという。

同社代表取締役の道城真人氏
同社代表取締役の道城真人氏

DAC 1.0は、主にASPを利用して提供される。価格は初期登録料(ライセンシャル・イニシャルFee)が1000万円、月々の費用(ランニングFee)は100万円からで、市場規模に応じて従量課金を行なう。また、システムインテグレーションによって、市場運営者自身のサーバーで運用することも可能。金融などセキュリティーの重要性が問われる市場においては、市場運営者自身によるサーバー設置を薦めるという。

同社は初年度18社への導入を目標としており、売り上げは初年度5億8000万円、2004年度には23億3000万円の売り上げを見込んでいる。

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