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オリンパス、『遺伝子解析用DNAコンピュータ』を開発

2002年01月28日 19時22分更新

文● 編集部

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オリンパス光学工業(株)は28日、DNA同士の化学反応を演算に利用することで大容量の超並列処理が可能な遺伝子解析用DNAコンピューターを、東京大学大学院総合文化研究科の陶山明助教授、(株)ノバスジーンと共同開発したと発表した。

開発機
遺伝子解析用DNAコンピュータの開発機

遺伝子解析用DNAコンピューターは、膨大な検査・解析需要が予想される遺伝子解析に向けて開発したもので、DNAの4種類の塩基を演算素子として利用するもの。同社では、開発機を2002年1月末にノバスジーンへ設置後、実サンプルを使用した性能評価を2002年中に完了したうえで、2003年から本格的な解析サービスの開始を予定しているという。

開発機では、サンプル注入から定量反応終了までの全工程を自動化したことにより従来約3日間かかっていた処理を6時間に短縮したほか、メモリー部分に相当する人工DNA断片を専用の設計ソフトウェアで設計したのが特徴。また、プレシジョン・システム・サイエンス(株)の磁性粒子を用いた分離技術(Magtration Technology)を採用し、反応の信頼性を向上させたとしている。

遺伝子解析用DNAコンピューターの構成
遺伝子解析用DNAコンピューターの構成(分子計算部と電子計算部をハイブリッド型の構成にして処理速度を向上)

同社は、将来的には大容量、超並列性、エネルギー消費量が少ない特徴を生かし、SNP(Single Nucleotide Polymorphism:一塩基多型)解析や疾患遺伝子の検出などに対応することで、遺伝子診断やゲノム創薬などの実用化に役立てたいとしている。

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