OSDLジャパンラボは、横浜ビジネスパーク内に設置されており、ミーティングルーム、オペレーションルーム、サーバルームから構成されている。
ミーティングルームとオペレーションルームは、コミュニティのメンバーがミーティングなどで利用するための部屋で、オペレーションルームには12台のIAマシンが用意されており、自由に利用することができる。
ミーティングルーム |
オペレーションルーム。ぷらっとホームのハードウェアにTurbolinuxをインストールしたマシンが用意されている。 |
サーバルームには10台のラックが用意されており、IA系のサーバを導入してテスト環境として構築するという。現在は2台のItaniumマシンが導入されていたが、3月頃には機材を導入してプロジェクトを開始するとしている。機材の導入はRFQ(見積もり要求)に基づき、公開入札で導入する。ネットワークは、1.5MbpsのT1回線が用意されており、「通常の使用には支障ない」(高澤氏)とのことだ。
今後は、JLA/OSDLセミナーでとり上げられたクラスタリング、メモリページ管理などのプロジェクトや、I/Oサブシステムまわりの改善といった、エンタープライズ系プロジェクトを中心にテストを行なうとしている。
サーバルーム。現在機器購入を進めており、3月頃には本格的に運用開始される。 |
ラックの中に納められていたItaniumマシン。 |
記者会見では、Timothy D. Wihtam氏とOSDNジャパンラボディレクタの高澤真治氏が挨拶し、OSDNジャパンラボとOSDNジャパンWebサイトの運用開始を公式にアナウンスした。
左から、Timothy D. Witham氏、高澤真治氏 |
記者からは、OSDLジャパンラボで推進するプロジェクトの計画や、今後のサブラボ展開などについての質問が寄せられた。
OSDLのサブラボが日本に開設された背景として、Witham氏は日本には潜在的なニーズがあったこと、OSDLのスポンサーに日本企業が多いことなどを挙げた。その上で、次のサブラボ設置については今後のニーズに基づいて検討するという方針を明らかにした。
また、OSDLジャパンラボで行なわれるプロジェクトについては、最低でも年間4から5プロジェクトを、レポートが出せる程度まで行ないたいとした。OSDLジャパンでは、これまで言語の違いなどからカーネル開発に参加できなかったアジアの開発者に対して、メーリングリストに投稿してコミュニティメンバーを説得するといった形ではなく、実証的なデータに基づいて優れたパッチを提供する機会を与えたいと考えている。また、日本の開発者向けにも積極的な支援を行なうとし、Webやメーリングリストを通じた情報提供を行なうとした。