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東芝、タカラ、大日本印刷、教育プラットフォーム事業で合弁会社を設立

2002年01月25日 02時25分更新

文● 編集部 田口敏之

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(株)東芝、(株)タカラ、大日本印刷(株)の3社は24日、教育用プラットフォームの普及と確立のため、2月末をめどに新会社を設立することで合意したと発表した。この新事業のために、東芝はトータルシステムの構築とコンテンツ開発ツールの開発を行ない、タカラは玩具市場へのマーケティングと販売、およびコンテンツの性格付けと供給を行なう。また大日本印刷は、コンテンツを所有する企業とのネットワークの構築と拡大、および教材となるテキストの制作支援を行なうとしている。

左から、東芝e-ソリューション社 メディア&コンテンツ事業部長の鈴木修美氏、タカラ代表取締役の佐藤慶太氏、東芝取締役上席常務の奥原弘夫氏、大日本印刷常務取締役の吉野晃臣氏
左から、東芝e-ソリューション社 メディア&コンテンツ事業部長の鈴木修美氏、タカラ代表取締役の佐藤慶太氏、東芝取締役上席常務の奥原弘夫氏、大日本印刷常務取締役の吉野晃臣氏

新会社の名称は、“東芝ティー・ディー・エデュケーション株式会社”(東芝TDエデュケーション)。TはタカラのT、Dは大日本印刷のDだという。本社は東京都港区高輪に設置する予定。資本金は2億円で、出資の内訳は東芝が51%、タカラが24.5%、大日本印刷が24.5%となっている。代表取締役社長には、(株)東芝の社内カンパニーであるe-ソリューション社の、メディア&コンテンツ事業部長である鈴木修美氏が就任する。主な業務は、個人用学習機器の企画開発と製作、および販売で、5月に学習機器『EX-Pad(エクスパッド)』と専用ソフトウェアを発売するとしている。

EX-Pad(試作品)
EX-Pad(試作品)

EX-Padとは、文字と静止画による既存のコンテンツに音声を加えることによって、情報に奥行きや臨場感を与え、また読者は知的関心を広げられるという個人用の学習機器。利用するためには、二つ折り型の本体を開き、専用のテキストをその上に載せ、音声データなどを収録したスマートメディアを、本体の専用の端子に装着する。そして、本体に付属するペンデバイスを用い、テキストのページの上をなぞると、そのページの位置に応じて物語や音楽、学習問題や効果音などの音声を再生できる。これによって読者は、絵と文字と音などで、楽しみながら学習が行なえるという。

同製品の利点としては、パソコンのように利用環境が限定されないこと、既存のコンテンツを転用できること、教材が安価なことなどが挙げられるという。また学習教材によって、幼児向けから高齢者向けまで、幅広いコンテンツを提供できるとしている。価格は、本体が7000~8000円、ソフトが2000~3000円になる予定。発売時には、“ベイブレード”を題材にしたソフトと、“リカちゃん”を題材にしたソフトのほか、5タイトルをリリースする。販売は、東芝の家電販売ルートと、タカラの玩具販売ルートを中心に行なっていくという。

幼稚園でEX-Padの反応を見たところ、みんなが非常に関心を寄せたという
幼稚園でEX-Padの反応を見たところ、みんなが非常に関心を寄せたという

東芝取締役上席常務の奥原弘夫氏は「こういったプラットフォーム事業を成功させるためには、いかに魅力的なコンテンツを揃えられるかにかかっている。この点については、小学館や学研、アルクなどの有数のコンテンツプロバイダーからご賛同をいただいている」と述べた。EX-Padのコンテンツ制作に関しては、(株)小学館プロダクション、(株)学習研究社(学研)、(株)ヤマハミュージックメディア、(株)アルク、(株)ポプラなどと、東芝TDエデュケーションがパートナーシップを組んで行なっていくという。ソフトは、発売から6ヵ月までに、60以上のタイトルをリリースするとしている。

3社は、生涯教育や英語関連資格取得などの個人教育市場、音楽教育や小学校受験教育などの幼児教育市場などを含む、幅広い教育市場に対する、EX-Padの普及を目指す。東芝TDエデュケーションの事業目標としては、2004年度に約55億円の売り上げを見込んでいる。

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