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ネットレイティングス、ブロードバンドユーザーの利用動向データの提供を開始

2002年01月24日 20時37分更新

文● 編集部 増田悦子

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ネットレイティングス(株)は24日、インターネット利用動向情報サービス“Nielsen//NetRatings”にブロードバンドユーザーの利用動向などを分析する“Internet Media Strategies(インターネット メディア ストラテジイズ)を追加すると発表した。

回線接続速度別
回線接続速度別のインターネット利用状況

このサービスは、インターネットへの接続環境ごとに、1人あたりの閲覧ページ数や利用時間、利用頻度をはじめ、日本と韓国、米国の回線速度別のデータ、ドメイン別訪問者数、地域別利用状況などを提供するというもの。従来のサービスでは“インターネット利用者”とひとくくりにされていたが、これにより、ダイヤルアップに代表されるナローバンドによるユーザーと、ケーブルテレビ、ADSL、専用線によるユーザーの利用実態を把握できるという。新サービスの2001年12月度の月間データによると、日本のナローバンドユーザー(同社では128kbps未満の速度をナローバンドとしている)は約1800万人、ブロードバンドユーザーは推定で約360万人。ブロードバンドユーザー数は、ナローバンドユーザー数の5分の1であるが、1人あたりの月間平均利用ページ数ではナローバンドユーザーが714ページであるのに対し、ブロードバンドユーザーは2138ページとなり、約3倍利用している。1人あたりの平均利用時間でも、ナローバンドユーザーの7時間24分に対し、ブロードバンドユーザーは17時間45分と約2倍となっている。

都道府県別
都道府県別のインターネット利用状況

また、日本と韓国、米国のインターネット利用を比較した場合、日本とアメリカのナローバンドとブロードバンドの比率は5:1で、韓国はブロードバンドの比率が高く、比率はおよそ1:5と逆になっている。3ヵ国のナローバンドユーザーの1人あたりの月間平均利用ページ数や1人あたりの月間平均利用時間といったユーザーの行動に差はなく、一方3ヵ国のブロードバンドユーザーの1人あたりの月間平均利用ページ数や1人あたりの月刊平均利用時間などの行動にも差はない。このことから、同社では、今まで韓国のインターネット利用が多いのは、韓国の国民性なのか、ブロードバンドというインフラが整っているからなのか、原因を探ることができなかったが、回線別に利用状況を調査したことで、インフラが原因であると言えるのではないかとした。また、日本において今後ブロードバンドが普及すれば、韓国と同様にインターネットの利用時間は増加するのではないかとしている。

ドメイン別に、ブロードバンドとナローバンドの利用状況も報告している。どのドメインにおいても、ブロードバンドとナローバンドの利用者の比率は変わらないが、windowsmedia.comやreal.comなどの動画コンテンツを取り扱っているドメインにおいては、ブロードバンド利用者が多いともしている。そのほか、地方別のインターネット利用状況や、都道府県別のインターネット利用状況などのデータも用意しており、全国の利用状況が把握できる。なお新サービスは、同社のサイト上にログインしてウェブ上でデータを閲覧する形式となる。データは月次データで提供している。料金は、年間契約で500万円。

代表取締役社長の萩原雅之氏
代表取締役社長の萩原雅之氏

代表取締役社長の萩原雅之氏は、「同サービスは、現在のネットレイティングスの主要なサービス“オーディエンス・メジャメント・サービス(AMS)”“Eコマース・ストラテジイズ (ECS)”とともに3本柱とし、戦略的なサービスとして位置付けたい。また、POSデータのように実測から、ユーザーの行動を把握するもの。ブロードバンドビジネスを行なう企業が、自信をもってブロードバンドビジネスを始められるきっかけになってほしい」と述べた。

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