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ケイ・ジー・ティーと日本電子計算、Mathematicaとシームレスに連動する可視化ツール『MassViz』を発表

2002年01月16日 18時42分更新

文● 編集部 今井睦俊

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(株)ケイ・ジー・ティーと日本電子計算(株)は16日、都内で記者発表会を開催し、科学技術計算統合パッケージソフト『Mathematica』と連動して解析結果を可視化するツール『MassViz』(マスビズ)を共同開発したと発表した。価格は8万円で、2月14日に販売を開始する。記者発表会には、ケイ・ジー・ティーの事業統括室長の加藤浩常務取締役、日本電子計算のビジネスソリューション事業部長の稲垣正彦取締役、国立スポーツ科学センターの宮地力氏などが出席した。

発表者
左からケイ・ジー・ティーの事業統括室長の加藤浩常務取締役、日本電子計算のビジネスソリューション事業部長の稲垣正彦取締役、国立スポーツ科学センターの宮地力氏

『MassViz』は、数式処理システムであるMathematicaとシームレスに連動して、解析結果や数式をグラフィックス表示する可視化ツール。Mathematicaから解析結果のデータを送ると、データの種類に応じて可視化できる表現方法(鳥瞰図/コンター図/等数値面など)をアイコンで表示。グラフィックスの表示方法の指定、パラメーターの変更などをアイコンで操作できる。さらに、グラフィックス表示した結果を、GIF/TIFF/VRMLなどのファイルに出力可能。そのほか、時系列データやパラメーターの推移を動画として表示する“アニメーション機能”、シェーディング/半透明表示/色指定/光源設定/カメラ設定などが可能な“3Dグラフィックス機能”などを搭載する。

『MassViz』の画面
『MassViz』の画面。各種パラメーターをマウス操作することで、可視化した3次元画像が変化

記者発表会の冒頭で、ケイ・ジー・ティーの加藤常務取締役が共同開発の経緯について説明を行なった。Mathematicaの技術認定販売店である日本電子計算と、可視化ツール『AVS/Express』の総販売店であるケイ・ジー・ティーは、1994年から教育/研究機関などへ共同でソリューションを提供してきた。両社の得意分野を生かしたパッケージとして、AVS/Expressの可視化技術“MicroAVS”を用いて同製品を共同開発したという。同氏は、「数値計算のMathematicaと可視化ツールのAVSがシームレスに連動し、融合することで、大学や企業/官公庁の研究機関などで生じる可視化の具体的なニーズに応えることができる」と語った。

続いて日本電子計算の稲垣取締役が同製品の販売計画について説明を行なった。「Mathematicaは、教育用ツールとしてのイメージがあるが、ビジネスでの研究ツールとして、官公庁や一般企業などの研究機関で使われている」と指摘。同製品についても、教育用ツールとしての利用以外に、製造/医療/環境/地質/地図/金融/統計など、ビジネス用の研究ツールとしての用途を見込んでいるという。販売目標は、両社で2002年度が1000本、2003年度が2000本となっている。両社では、可視化ツールの共同開発を継続し、アプリケーション開発/受託開発などへの応用や、システムインテグレーション事業などで活用していくという。

記者発表会の最後に、国立スポーツ科学センターの宮地氏が、スポーツ科学での運動解析における可視化のニーズについて説明。「運動解析では、定型的な計算処理を行なわないため、フレキシブルな解析が行なえるMathematicaが便利」と述べ、同製品のように「Mathematicaでの解析結果を、3次元のアニメーションで表現するニーズは高い」と語った。

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