胸ポケットにも入れられる光学ズーム機
撮影サンプル1。元画像は1200×1600ドットだが、460×640ドットにリサイズしている。F2.8、1/721秒。 | 撮影サンプル1の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。空が白いのは曇りがちだったため。ビルのエッジ部が少々甘い。 |
撮影サンプル2。元画像は1600×1200ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。F2.8、1/470秒。 | 撮影サンプル2の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。建物壁面の反射により、一部に白とびが発生している。 |
撮影サンプル3。元画像は1600×1200ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。F3.8、1/118秒。 | 撮影サンプル3の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。本機にはマクロモードはないが、望遠にして30cm程度まで近寄ればかなりのアップが撮影できる。 |
撮影サンプル4。元画像は1600×1200ドットだが、640×4800ドットにリサイズしている。F2.8、1/4秒。 | 撮影サンプル4の右側中央を640×480ドットにトリミングしたもの。本機は夜景などのシーン選択も搭載していないため、基本的にオート+露出補正のみとなる。 |
撮影サンプル5。元画像は1200×1600ドットだが、480×640ドットにリサイズしている。F3.0、1/10秒。 | 撮影サンプルの下中央を640×480ドットにリサイズしたもの。階調や細部の描写はなかなかだが、ハイライトとのエッジにわずかにブルーミングが発生している。 |
画質に関しては、解像感は少々物足りないものの階調表現は良好だ。ただし、逆光などでは明るいところに引きずられて露出アンダーになりやすく、露出補正をこまめに行いたい。発色は再現色を重視しているようで、不自然な彩度強調(記憶色強調)は見られない。エッジの強調も少ないため、絵作りは自然だ。ただし、最近のデジタルカメラでは積極的に発色や解像感を強調する絵作りが多く、それらの機種に比べれば迫力に欠ける絵なのも確かだろう。また、気になった折り曲げ光学系に関しても、同クラスの200万画素デジタルカメラの画像に比べて明確な差異は感じられず、とくに画質に悪い影響を与えていないようだ。
凝った光学設計や、各機器をぎりぎりまで詰めた薄型ボディなど、DiMAGE Xは従来のコンパクトデジタルカメラとは一線を画す製品であり、光学ズームを搭載しつつも最小、最薄を目指したコンセプトは高く評価できる。しかし、7万2000円という価格はかなり疑問が残る。この標準価格ではよほどの安売りでないかぎり実売5万円を切ることはないだろうが、同クラス(光学3倍ズーム/200万画素)のデジタルカメラの多くが実売で4万円を切っているのが現状であり、それに比べてかなり割高に感じてしまう。この種のコンパクトデジタルカメラの主なターゲット層である初心者に対し、FinePix 50i/40i/30iなどの単焦点+デジタルズームとは違うということをどれだけアピールできるかがポイントになるだろう。
DiMAGE Xのの主なスペック | |
撮像素子 | 1/2.7インチ有効196万(総211万)画素補色CCD |
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レンズ | 光学3倍ズーム、f=5.7~17.1mm(35mmフィルムカメラ換算37~111mm相当)、F2.8~3.6 |
記録媒体 | SDメモリーカード(8MB付属) |
記録画素数 | 1600×1200/1280×960/640×480ドット |
動画記録 | 320×240ドット(15フレーム/秒)、最大35秒、Motion JPEG準拠 |
液晶モニタ | 1.5インチTFT(約11万画素) |
シャッター速度 | 2~1/1000秒(自動) |
インターフェイス | USB、DC入力、ビデオ出力 |
電源 | 専用リチウムイオン充電池 |
本体サイズ | 84.5(W)×20(D)×72(H)mm |
重量 | 約135g(本体のみ) |