Cygwinベースのディストリビューションパッケージ『X on Windows』が昨年12月に発売された。「Windows上でLinux/UNIX体験!!」を謳う同ソフトウェアを実際にインストールしてみた。
『X on Windows』。 |
『X on Windows』は、Cygwin Projectの成果物を中心に、X Windowシステムや各種コマンド、アプリケーションをバンドルし、「Install Sield」を利用したインストーラで容易にインストールが可能になった製品。X端末としてだけでなく、gccなどの開発環境も用意されており、開発環境としても利用できる。
Cygwinは、Windows上で利用できるPOSIX準拠のAPIとC言語の関数ライブラリを提供するcygwin.dllを中心に、このライブラリを利用してWindows上に移植されたGNUツール類で構成されている。現在のcygwin.dllの最新バージョンは1.3.6。『X on Windows』には、cygwin.dll 1.3.5が含まれている。
今回のテストでは、Pentium III-500MHz、メモリ128MB、Windows 2000(ファイルシステムはNTFS)がインストールされたマシンを使用している。
インストールは、多くのWindowsのアプリケーションと同様、「Install Sield」を用いて行なわれる。通常のCygwinインストールでは、setup.exeを実行し、インストールするパッケージをダウンロード、再びsetup.exeを起動してパッケージのインストール、/binや/lib、/tmpなどのディレクトリ設定といった作業が必要になる。『X on Windows』のインストールにはそのような作業は不要だ。
CD-ROMを入れると、自動再生でインストーラが起動する。 |
インストール先のフォルダを選択する。デフォルトではc:\Program Files\HOLON\XonWindows以下にインストールされる。 |
インストールオプションを選択。「標準」ですべてのパッケージがインストールされる。「コンパクト」を選択すると、Xウィンドウ関連のパッケージなどはインストールされない。「カスタム」はサポートされていなかった。 |
インストール中。このあとRPMのパッケージがインストールされ、再起動すればインストールは完了だ。 |
インストールが完了すると、デスクトップには「XoW-Console」と「XoW-X11」という2つのアイコンができている。それぞれコンソールモードとXモードで『X on Windows』が起動する。今回テストした環境では、Xモードで動作させた場合にハングアップしてしまうことがあったが、コンソールモードで使用する分には特に問題はなかった。
また、パッケージ管理はCygwin向けのRPMを使用しており、Project HeavyMoonなどによって提供されているRPMパッケージを使用することも可能だ。