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浜崎あゆみ・プレステ2用ミュージックビジュアルソフト制作の舞台裏(前編)

2001年12月29日 20時49分更新

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A VISUAL MIX

2001年夏に行われた浜崎あゆみのドームツアー公演を収録したプレイステーション2専用のミュージックビジュアルソフト「A VISUAL MIX」<ayumi hamasaki DOME TOUR 2001 A>(税抜き:6800円)。11月の記者会見で明らかになったそのソフトが、12月上旬に発売となった。ビッグアーティストを題材にしたソフトにはどんな仕掛けがあり、その背景にはどのような苦労があったのか?<前編>ではビジュアル製作にあたったソニー・ミュージックエンタテインメントのSME Visual PM企画制作課・兼松幸市氏にお話を伺った。



■カメラは全部で16台を使った

A VISUAL MIX
SME Visual PM企画制作課・兼松幸市氏

――東京ドームでのライブ撮影は1日でやってしまったんですか?

そうですね。7月6日がプレステチームの日でした。7日はDVDの撮影チームが入ってましたし、スカパーやインターネット関連のメディアもこの2日間に集中していました。

――今回のソフト制作に関わったのは何人くらいですか?

カメラマンなどを合わせた制作チームは全部で200人以上になりますが、コアスタッフは100人くらいでしょうか?

――ソフトの導入部分は地球のイメージですか?



A VISUAL MIX

ライブのテーマの一つが「地球」だったんで、それをイメージするものになっています。一番お金と力と時間をかけたのが、この導入のCGで表現されたイメージ部分ですね。

――確か、このCGを作られたのはBOOWYのCGを手がけたBUNSADAKAさんですよね

そうです。2カ月くらいかけて製作しました。リテイクを重ねて、最終的には3カ月くらいかかった部分です。

――どれくらいのCGスタッフが関わったんですか

プログラムチームも入れると30人くらいになりますね。

――その製作スタッフもあまり寝ていなかったようですけど(笑)

まあ、これだけ書き込みをすると大変だと思いますよ。地球の内側に街や山が広がっているイメージなんですが、基本的にCGは手書きがほとんどなんです。しかもこの部分は動画なんですね。プレステのポリゴンで描画させちゃうと、この質感はなかなかでないです。シーンに関しては、事前に浜崎あゆみさんにこんなイメージで作ります、ということは伝えてあったんですが、相当クオリティを気にされる方だと聞いてましたんで、頑張ったということがありますね。

――いわゆるゲームという感覚とは違うソフトだと思いますが



A VISUAL MIX

自分で作品を作っていくという感覚に近い。ですから、いろんなことをやらないと先に進めないという仕組みにはなっていません。

――カメラは何台使ったんですか?

360度カメラも合わせると、見かけ上は19台です。ズームスイッチで9台、サイドスイッチは8台です。しかし、ズームスイッチとサイドスイッチ用のカメラは、重なっているところを共用していますから、実際には16台になります。

――カメラの配置はどうなっているんですか?

普通に見ている状態ではカメラは8台(内側4台と外側4台)あって、真中に本人がいるという感じです。赤い▲印が操作するユーザの視点になります。内側のカメラに移動すると寄った映像になって、外側に出ると引いた映像になります。AUTOチェンジの状態だと勝手に視点を切り替えてくれるので、手放しでも遊べます。


――遊びの要素というのは?

切り替えに際してトランジションというのがありまして、カメラとカメラの間のつなぎ方を自分で選択できるんですね。例えばモーフィング的につなぐ、クロフフェード的につなぐ、縦わりの3Dスライスでつないだり、全部で9種類のトランジションがある。さらに、カメラを切り替えるだけでなくエフェクトをかけることができます。例えば、画面上に蝶や雷をとばす、そして蝶であればその出方を変えることもできる。これらが全部で50種類以上入ってます。油絵タッチやモノクロ、フィルムノイズ的に仕上げることもできます。また、エフェクトのひとつに別映像というのがあって、様々なイメージ映像を重ねることも可能です。イメージ映像には、ライブのコンセプトの一つ「地球」も取り入れています。360度カメラはステージ左右に2台配置しているんですが、この2台をジャンプすることもできるんですよ。

――相当エフェクトの数が多いですね

ライブを見ている人は自分も何かしたいという欲求があると思うんですよ。簡単に言えば拍手をしたりとか…。このエフェクトは、その拍手にあたる部分だと思います。

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