イラストの作成からWebページのデザインまで対応する、プロ向けのベクターグラフィックスソフト「Adobe Illustrator」がバージョンアップし、1月中旬より店頭での販売を開始する。今回のポイントは、作業効率の向上とWeb対応の強化だ。
面倒な処理をカンタンに
Adobe Illustrator 10のメイン画面。用意されているシンボルを組み合わせるだけでも、かなり見栄えのするイラストが手軽に作成できる。 |
シンボルを使うと、このようなイラストも簡単に作成可能だ。これらの泡は、すべてたった1つのシンボルから作成されている。 |
ワープ機能によるサンプル。アーチ形状はライブ変形効果によるもので、後からオブジェクト(ここではテキスト)の編集が簡単に行える。 |
エンベロープのサンプル。ここではテキストを変形させているが、ベクターシェイプやラスターイメージへの適用も可能だ。なお、画面はβ版のもので、製品版とは異なる可能性がある。 |
一方、複数のベクターシェイプを組み合わせた複合シェイプについては、今回のバージョンから複合前のオブジェクトを個別に選択・操作できるようになった。従来同様、単一のパスに変換(合成)することも可能で、扱いやすいほうを選択して柔軟に操作できるようになっている。
ほかにもJavaScript/VBScriptによるスクリプトコントロールに対応するなど、今回のバージョンでは特に使いやすさに関係するポイントが特に目立っている。
また、本稿では使いやすさに重点をおいたが、スライスツールの搭載にSVGファイルの読み込みのサポート、「ドロップシャドウ」「ぼかし」といったライブSVG効果の追加、Macromedia Flashファイル(SWF)の対応強化など、Web関連の強化についても今回のバージョンアップは注目すべきものがある。
価格はオープンプライス。アドビシステムズの運営するオンラインストア「アドビストア」では、Illustrator 9と同じ7万9500円で販売される予定だ。従来版の登録ユーザーは2万5000円でアップグレード版を入手できる。グラフィックデザインやWebデザインに多少とも関わっている人にとって魅力あるソフトなのはもちろん、従来バージョンを持つユーザーもバージョンアップの価値はあるだろう。
スライスはオブジェクトベースで、指定したオブジェクトの位置を変更した場合には自動的に再構成が行われる。試行錯誤しながらページを作成するような場合には、かなり便利な機能。もちろん、スライスの設定はユーザー自身の手で直接行うことも可能だ。 |
製品名 | Adobe Illustrator 10 日本語版 |
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対応OS | Windows 98/Me/2000/XP |
CPU | PentiumII以上 |
HDD | 180MB以上 |