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サイバネットシステム、ウェブ会議サービス“WebEx Meeting Center”を開始

2001年12月13日 23時17分更新

文● 編集部 田口敏之

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サイバネットシステム(株)は12日、米WebEx Communications社と提携し、国内の製造業者向けに、ウェブブラウザーを介して会議を行なえるサービス“WebEx(ウェブイーエックス) Meeting Center”の提供を、同日付けで開始すると発表した。

同社によれば、製造拠点やサプライヤーなどが、海外を含む各地に点在している現在の製造業界において、従来の電話会議やテレビ会議などによるコミュニケーションには限界があるという。“WebEx Meeting Center”は、ウェブブラウザーを使用して、インターネットに接続できる環境があれば、どこからでも会議に参加できるサービス。社内だけでなく、遠隔地の顧客やパートナーとのコミュニケーションにも利用でき、リアルタイムに各種の情報や専門知識を共有できるという。また、企業間のコミュニケーションだけでなく、eラーニングやサポートセンターなどの用途にも利用できる。日本語と英語以外にも6ヵ国語に対応しており、現在、世界で5000以上の企業や教育機関に利用されているという。

“WebEx Meeting Center”のネットワーク構築図
“WebEx Meeting Center”のネットワーク構築図

同サービスのシステムの特徴としては、世界各所に配置してあるサーバー“Infomation Switch”同士を専用回線で接続することによって、高速でセキュアーなネットワークを構築していることや、ホスティングサービスであるため、ユーザーがウェブブラウザー以外のソフトやハードを導入する必要がないこと、また企業のファイヤーウォールの設定を変更せずにすべての機能を利用できることなどが挙げられる。

セキュリティーは、送信するデータのハッシュ関数による暗号化を利用する。オプションとして、128bitで暗号化を行なうSSLサービスもある。

サービスを利用するための専用サイト“MicroSite”の例
サービスを利用するための専用サイト“MicroSite”の例

サービスを利用する流れは以下の通り。まず利用の申し込みを受けたWebEx Communicationsが、各ユーザーごとにカスタマイズした専用サイト“MicroSite”を開設する。このサイトから、ユーザーIDとパスワードを入力してログインすれば、ウェブ上の会議(“ミーティング”と呼ばれる)のセッションの作成および予約、予定の確認、参加などが行なえる。ミーティングの進行は、セッションを作成した者が行なう。セッション作成の権限を与えられ、ミーティングの進行を務める者は“ホスト”と呼ばれる。ホストは、ミーティング参加者の特定や、利用できる機能の制限、ミーティングからの追放などといった権限を持つ。また進行の権限を、ミーティング中にほかの参加者に委譲することもできる。

サービスのデモンストレーション。マイクロソフト社の表計算ソフト『Excel』を共有して表示している。左下は、デモンストレーションを行なった、サイバネットシステムメカニカルCAE第2営業部の深野修一氏
サービスのデモンストレーション。マイクロソフト社の表計算ソフト『Excel』を共有して表示している。左下は、デモンストレーションを行なった、サイバネットシステムメカニカルCAE第2営業部の深野修一氏

ミーティング中に利用できる機能として特徴的なのが、ドキュメントファイルを参加者全員で共有する機能。具体的には、ホストが提示する、プレゼンテーションソフトやCADソフトなどのドキュメントをベクトルデータ化し、圧縮して各人のパソコンに配信する。これによって、通信にかかる付加を軽減できるという。ベクトルデータ化されたドキュメントは、400倍まで拡大して表示できる。また他の機能としては、アプリケーションの共有機能や、ウェブページのブラウズを共有する機能、参加者のデスクトップを遠隔操作できる機能などがある。

デモンストレーション。ライブビデオ機能によって、参加者の映像を表示している
デモンストレーション。ライブビデオ機能によって、参加者の映像を表示している

このほか、共有する画面上に、マウスで自由に書き込みを行なえるマークアップ機能、文字通話を行なうチャット機能、ウェブカメラを接続してのライブビデオ機能、インターネット電話(VoIP)機能などを備えている。またチャットや音声、動画などを含むミーティングの内容は、すべて“WebExファイル”という形式で、参加者全員のパソコンに記録される(ホスト権限で、保存しない設定にもできる)。

なお利用できるサービスには、“プロ”と“スタンダード”の2通りのコースがある。“プロ”コースは、全ての機能を利用できる。“スタンダード”コースは、アプリケーション共有機能やデスクトップを共遠隔操作する機能、またミーティングの内容を記録する機能などを含まない。

サイバネットシステム常務取締役の井上恵久氏
サイバネットシステム常務取締役の井上恵久氏

サイバネットシステム常務取締役の井上恵久氏は「製造業における、各分野、各企業同士のコラボレーションは、今や欠かせないものとなっている。これまでにも、インターネットによってミーティングを行なうソフトやサービスなどは存在したが、同サービスはウェブブラウザーのみで全ての機能を利用できるため、ハードやソフトの投資の必要がない。これによって、会議を行なうための出張にかかる時間や経費を削減できるだけでなく、ミーティングやプレゼンテーションを効率化できる」

「多言語に対応しているので、開発設計において世界各国に点在する担当者同士が、一同に会してミーティングを行うこともできる。ドキュメントの共有やアプリケーションを共有する機能を備えているため、CADソフトを共有しての共同設計作業などもできる。さらに製品のシミュレーションやデモンストレーションなども、同サービスを介して行なえば、開発費を大幅に削減することも可能だ」と語った。

同サービスの動作環境は以下の通り。Windowsの場合、Windows 95/98/NT/2000/XPに対応し、Internet Explorer 4.x/5.x、Netscape Communicator 4.x以上のブラウザーが必要。Mac OSの場合、Mac OS 8.5~9.1に対応し、Interenet Explorer 5、Netscape Communicator 4.5以上のブラウザーが必要。Solarisの場合、Solaris 7/8に対応し、Netscape Communicator 4.5x、4.6x、4.7xののブラウザーが必要となっている。

利用料金は、“MicroSite”のセットアップ費用19万5000円のほか、契約ユーザー数別、コース別に月額料金がかかる。“プロ”コースでは、契約ユーザー数が25人までの場合2万9600円(1ユーザーあたりの月額)、26~50人までの場合2万3100円、51~100人までの場合2万1800円、101~200人までの場合2万500円、201人以上の場合1万9200円となる。“スタンダード”コースでは、契約ユーザー数が25人までの場合1万6600円(1ユーザーあたりの月額)、26~50人までの場合1万3350円、51~100人までの場合1万2700円、101~200人までの場合、1万2050円、201人以上の場合1万1400円となる。契約したユーザー数を超えて利用する場合は、コースに関係なく、ユーザー1人あたり15分ごとに1200円の超過料金がかかる。

このほかの料金としては、インターネット電話(VoIP)の利用に、ユーザー1人あたり1分ごとに5円。複数の言語サイトを利用する場合は、1言語あたり、初期設定費用として19万5000円、1ユーザーあたり月額3000円となっている。また、オプションのSSLを利用する場合は、初期設定費用として26万円、月額固定料金(50ユーザーまで)として6万5000円の料金がかかる。

サイバネットシステムは、製造業者、教育・研究機関、ソフトウェア企業、通信会社などを対象として、初年度1000ユーザーの販売を見込んでいる。

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