豊富な撮影機能を使いこなす楽しさ
COOLPIX 5000は、500万画素という高画素記録だけではなく、豊富な撮影機能を持つのも特徴だ。特に連写機能が強力で、最高画質でも3枚/秒(最大3枚)もしくは1.5枚/秒(最大10枚)の連続撮影が可能だ。また、全体の動作に関しても撮影/再生/各種メニュー操作ともにキビキビと動き、動作がもったりと感じられた995/885/775などとは対照的だ。
梨地仕上げのブラックボディと各部のシルバーがアクセントになっているフロンとフェイス。レンズ横にあるのがAEロックボタン。 |
画質調整に関する機能も豊富だ。自動的にホワイトバランスを変えつつ3枚の撮影を行う「ホワイトバランスブラケティング」、ダークフレームを撮影する方式の「スローシャッターノイズリダクション」を搭載するほか、同社としては初の「クリアイメージモード」を搭載する。クリアイメージモードは、露出を変えつつ連続して被写体を2回撮影し、さらにシャッターを閉じた状態で1回露光し、計3回の露光データから1枚の画像を合成出力するというもの。ノイズが少なくダイナミックレンジの広い画像を目的としたモードで、スローシャッターノイズリダクションと三洋電機「DSC-MZ1」が搭載する「ワイドレンジショット」を合わせたような機能だ。なお、クリアイメージモードをONにしたときは露光時間が2倍程度に伸びるほか、記録画素数は最大1280×960ドットに制限される。
COOLPIXシリーズはシステムアクセサリが豊富に揃っているのが特徴だが、本機においてもワイド/テレコンバータレンズやフラッシュなどが利用できる。とくに5000と同時に発表された19mmワイドコンバージョンレンズ「WC-E68」(2万2000円)や、フラッシュ「スピードライト SB-50DX」(2万8000円)などが魅力が高い。SB-50DXは本体上部のホットシューに装着すればTTL調光が可能なほか、同社のスピードライトを複数利用して増灯撮影した場合でも自動調光が行える。
バッテリは本体底面から、CFカードは側面からそれぞれグリップ部に挿入する。最近のCOOLPIXシリーズ(995/885/775)同様にリチウム電池「2CR5」の利用も可能だ。 |
500万画素クラスのデジタルカメラは、いずれもマニュアル撮影や各種撮影機能を備え、中上級者向けの製品となっている。大口径レンズ搭載のE-20(22万円)は別格としても、すでに11~13万円という実売価格のF707やDiMAGE 7を前にするとCOOLPIX 5000の15万円という価格付けはかなり微妙だ。F707には光学5倍ズームレンズやナイトショットモード、DiMAGE 7は光学7倍ズームレンズを搭載するのに対し、COOLPIX 5000はごく一般的な3倍ズームレンズを採用するため、「高級機を何台も買えないから1台でなんでもこなせるように望遠にも強い機種がいい」と考えがちだからだ。確かにそう思うのも無理はないし、妥当な選択ではある。しかし、レンズ倍率以外は機能面で遜色はなく、その機能をコンパクトなボディに収めて普段から持ち歩ける500万画素機に仕上がっているのはCOOLPIX 5000しかない。大柄な500万画素機を買って、さらに持ち歩き用に200~300万画素のサブカメラを買うのではなく、本当に1台のみでなんでもこなしたいと思うのならば、COOLPIX 5000を文句なくお勧めしたい。
撮像素子 | 2/3インチ有効500万(有効524万)画素CCD |
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レンズ | 光学3倍ズーム、f=7.1~21.4mm(35mmフィルムカメラ換算28~85mm相当)、F2.8~4.8 |
記録画素数 | 2560×1920/2560×1710(3:2)/1600×1200/1280×960/1024×768/640×480ドット |
記録媒体 | CF TypeII(32MB付属) |
液晶モニタ | 1.8インチ低温ポリシリコンTFT液晶、11万画素 |
動画記録 | 320×240ドット、最長60秒(15コマ/秒)、音声付きQuickTime形式 |
インターフェイス | USB、リモートレリーズ、AV出力、アクセサリシュー |
電源 | リチウムイオン充電池(付属)、6Vリチウム電池 2CR5 |
本体サイズ | 101.5(W)×67.5(D)×81.5(H)mm |
重量 | 360g(本体のみ) |