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日本能率協会、2001年度“JMA総合マーケティング優秀賞”を発表

2001年12月12日 18時08分更新

文● 編集部 田口敏之

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(社)日本能率協会(JMA:Japan Management Association)は11日、都内に報道関係者らを集め、2001年度“JMA総合マーケティング優秀賞”の受賞企業を発表した。

右から“JMAマーケティング優秀賞審査委員会”審査委員長で、慶應義塾大学教授の嶋口充輝氏。JMA理事長の小河信雄氏
右から“JMAマーケティング優秀賞審査委員会”審査委員長で、慶應義塾大学教授の嶋口充輝氏。JMA理事長の小河信雄氏

“JMA総合マーケティング優秀賞”は、各企業のマーケティング力の向上を目的として、1976年に制定したもの。今年で27回目となる。

同賞は、マーケティング政策の中に革新的な新機軸(技術・アイデア・発想など)を取り込み、それによって高い市場成果(経済的・経済外的)を生み出した企業・団体に与えられる。対象は、日本に本社または事業所を持つ企業・団体。対象期間は、2001年1月1日から12月31日までとなっている。

選定方法は、まず企業のマーケティング実務家から成る第1次ノミネート委員が、8つの選定基準を参考にしながら、企業・団体を3つ推薦する。そして、マーケティング分野において活躍している学者や専門家など15名から成る“JMAマーケティング優秀賞審査委員会”が、その中からより詳細な個別審査を行ない、最終的なマーケティング優秀賞を選出する。選定基準となる8つの項目は、以下の通り。

  1. マーケティング理念・目的の適切性
  2. 製品・サービスの革新性
  3. 価格の革新性
  4. コミュニケーションの革新性
  5. 営業・流通の革新性
  6. マーケティング・オペレーションの革新性
  7. 高い経済成果の達成
  8. 高い経済外効果の達成

今年度、第1次にノミネートした70社の中から、“JMAマーケティング優秀賞”を受賞したのは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)、キリンビバレッジ(株)、(株)ベルシステム24、本田技研工業(株)の4社。また、選定基準を満たしてはいないが、高い水準を満たした企業・団体に対して授与される“奨励賞”を、京王電鉄(株)と(株)ヤオコーの2社が受賞した(企業名は50音順)。

それぞれの企業の主な事業内容および、受賞理由については以下の通り。

JMAマーケティング優秀賞

カルチュア・コンビニエンス・クラブ

ビデオ・CDのレンタルや販売、および書籍の販売を行なっているマルチメディアショップ“TSUTAYA”を全国に展開。パソコンや携帯電話に情報やクーポンを配信するなど、店舗と連動するウェブサイト“TSUTAYA online”によって、集客率を高める戦略を確立した。10月末時点で、全国に1055店舗、会員数は1559万人。またTSUTAYA onlineの会員数は、約193万人。

キリンビバレッジ

水の代用品ではない、嗜好品としての烏龍茶を『聞茶』によって提案し、茶市場の活性化に貢献した。本格的な味覚や、陶器のようなボトル缶デザインによって好調な売り上げを記録した。同社は年間売り上げ目標を、800万ケースから1300万ケースに上方修正している。

ベルシステム24

全国に27ヵ所のコールセンターを持ち、電話とインターネットを用いた、One to Oneによるマーケティングを実践した。ECサイトの構築や、CRMセンターの設計・構築サポートおよび、運用など各種課題解決に向けたコンサルティングも行ない、電子商取引などを行なう企業の活動に貢献した。

本田技研工業

2000年の小型ミニバン『ストリーム』に続き、2001年の新小型車『フィッツ』が消費者の支持を受けた。先進性の高い商品開発力で、連続的にヒット商品を創出し、消費者に提供。業界の活性化に貢献した。2001年度上半期の決算は純利益1737億円で、前年同期比42.5%増。今期の売上高は、約7兆7000億円になる見通し。

JMAマーケティング優秀賞――奨励賞

京王電鉄

京王線への女性専用車両の導入や、バリアフリーへの対応など、先進的な取り組みを積極的に行なった。沿線に光ファイバーを敷設し、沿線の企業や大学などにブロードバンド通信サービスを提供するなど、地域に密着したサービスを提供している。

ヤオコー

株式を上場しているスーパーマーケット。12期連続の増収増益企業。“楽しい食卓”が演出できる店作り、“楽しい買い物”ができる店作りを目指し、価値ある商品の開発や、サービスの向上を行なった。客からの要望に応えるべく、モデル店舗を設け、新しい売り場作りに務めている。

“JMAマーケティング優秀賞審査委員会”審査委員長で、慶應義塾大学教授の嶋口充輝氏は「厳しい経済状況の中、どの企業も大変苦しい状態に置かれている。この賞は、企業の内側からの自薦ではなく、外側から見て判断し審査するので、勝手に選んだ賞という見方もできるが、受賞した企業の手法は、多くの企業にとって参考になり、ベンチマークとなるだろう」と述べた。

表彰式と、受賞企業による講演は、2002年2月26日から28日に開催する、企業や団体による講演会“第38回マーケティング総合会議”にて行なわれる。

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