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BSD / Linux Dayレポート

2001年12月08日 00時00分更新

文● 編集部

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オフィススイート

オフィススイートについては、StarSuiteについて樋口貴章氏が、JustArksについて徳山貴樹氏が、KOfficeについて竹洞陽一郎氏がそれぞれ紹介した。

右から樋口貴章氏、徳山貴樹氏、竹洞陽一郎氏

StarSuite

StarSuiteは、オープンソースで開発されているOpenOfficeをベースにしたオフィススイート。開発は当初、独Star Divisionが行なっていたが、米Sun Microsystemsによって買収され、以後Sunが国際化ライブラリをのぞく部分のソースコードを公開し、オープンソースで開発が行なわれている。開発は主にドイツのコミュニティが中心になっており、日本人はあまり見かけないそうだ。

JustArks

JustArksはJavaで書かれたオフィススイート。ファイルの保存はすべてXHTMLで行なわれる。製品版では、インターネットディスク50MBと、フォトレタッチソフト「Aurora」のTP版が含まれる。すべてJavaで作られているため、きちんと動作させるにはCPUやメモリを推奨環境よりも強化しないと厳しいとのことだ。

KOffice

kOfficeはKDE 2.2からKoffice 1.1として独立した開発を行なっている。ファイルの保存は基本的にはXML。また、KDEのコンポーネント技術KPartsにより、あるアプリケーションの中にほかのアプリケーションを埋め込むことが可能になっている。現時点ではOfficeシリーズとのファイル交換が完全でなかったり、日本語の禁則処理がないなどの問題もあるという。

自由討論

討論では、Windowsとの互換性や印刷の問題、フォントの問題などが指摘されていた。

Windows版とLinux版があるStarSuite、JustArkともに問題なのは、標準フォントが違うために印刷がきれいに出力できないとのことだった。また、フォントについては、樋口氏にSunでフリーなフォントを出してほしいといった要望も出されていたが、現実的には厳しいようだ。

また、「職場でWindowsを利用してパソコンを勉強しているが、そういったエントリーユーザーにアピールできるポイントは?」との質問に対し、樋口氏、徳山氏はともにプラットフォームに依存しない点を挙げたのに対し、竹洞氏は「改造できることです」とのことだった。

ほかのOSとの連携

ほかのOSとの連携については、大江将史氏がVMWareを、太田俊哉氏がSambaを、田村健人氏がPEACEを紹介した。

右から大江将史氏、田村健人氏、太田俊哉氏

VMWare

VMWareは複数のOSを1台のマシン上で動作させるソフトウェア。VMWareそのものがインストールされるOSをホストOS、VMWare上(仮想マシン上)にインストールされるものをゲストOSと呼ぶ。VMWare Workstation版とExpress版はホストとなるOS上でゲストOS1つを動作させる形になるが、GSX版では複数のシステムを動作させることが可能だ。

Samba

Sambaは、日本語化のために国内での開発が開始されている。Samba 2.0系列については日本語版の開発も完了しているが、現在多く使われている2.2系列の日本語版はβ段階だそうだ。将来的には3.0系列の開発に直接コミットしていきたいとしている。

PEACE

PEACEは、NetBSD上でWindowsのアプリケーションを直接実行するためのDLL群。Win32のAPIを実装したDLLなどを用意し、シェルから直接exeファイルを実行するという。現時点である程度動作しているアプリケーションは、Windows標準の計算機や、サードパーティのノベルス系ゲームなど一部のものに限られているという。

自由討論

討論では、主にVMWareに対する質問が多く寄せられた。

VMWareでは、ホストOSがサポートしていないデバイスについてはゲストOSがサポートしていても動かない。また、ゲストOSでPCカードデバイスはどう見えるか? について質問があった。NICの場合はNICに、モデムの場合はシリアルモデムとして認識されるそうだ。また、ACPIのサポートについては、現在サポートされておらず、利用しないほうがよいことなどが説明された。

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