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「フリーソフトウェアの目的は多くの人に使われることではない。使う人を自由にすることだ」─Internet Week 2001「リチャードストールマンと話そう」BOFレポート

2001年12月08日 19時41分更新

文● 編集部

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12月3日~7日に行なわれた「Internet Week 2001」において、武田賞受賞のために来日した米Free Software Foundation(以下、FSF)代表であるRichard M.Stallman氏を囲んで、「フリーソフトウェア」について語り合うというBOF「リチャードストールマンと話そう」が行なわれた。Stallman氏のいう「フリーソフトウェア」の概念や「GNU/Linuxシステム」などについて直接語り合うというBOFの模様をレポートする。

Stallman氏を囲んで語り合う参加者。

「フリーソフトウェア」とLinux

Stallman氏は、いつものように「フリーソフトウェア」が「無料のソフト」ではなく「自由なソフト」であることを強調する。「フリー」概念には、ソフトウェアを利用する自由、改変する自由、複製する自由、頒布する自由などのさまざまな自由が含まれている。GNUプロジェクトでは、これらの自由を保護するためのライセンスとして「GNU GPL」(GNU一般公衆使用許諾契約書)の使用を推奨している。通常フリーソフトといった場合には無料のソフトウェアがイメージされがちだが、GNU GPLでは必ずしも無料でなければならないとは規定されておらず、有料でも「フリー」なソフトウェアも存在しうることになっているのだ。

Richard M. Stallman氏

18年前に開始されたGNUプロジェクトは、1991年にLinuxカーネルがGNU GPLでリリースされたことで、「フリー」なオペレーティングシステム─GNU/Linuxシステム─を提供するようになる。信頼性、可用性の高いこのOSは多くのユーザーに利用されるようになったが、多くのユーザーは「Linux」というシステムがすべてであり、GNUの「フリー」なシステムとは異なるものと考えるようになってしまった。

「『フリー』なシステムを改善する目的は、『フリー』でないソフトウェアをサポートすることや多くのユーザーに利用されることを目指すことではなく、世界をより自由にすることなのだ」とStallman氏は語る。Linus Torvalds氏にとって、Linux開発の目的は「Just for fun」であり、世界を自由にすることではなく、だからLinuxを用いたシステム─多くのディストリビューション─には「フリー」でないソフトウェアが含まれ、それは「フリー」なシステムの目的にはそぐわないものであるとしている。

システムを改善するということは、より自由を拡大することであり、そのためには本来プロプライエタリなソフトウェアを「フリーソフトウェア」に置き換えていかなければならないとし、GNU/Linuxシステムユーザーも企業もそういった活動をするべきだと語った。

「フリーソフトウェア」とMicrosoft

「GNUプロジェクトの目的はWindowsのようなシステムをユーザーに提供することなのか」という質問に対しては、「使いやすいユーザーインターフェイスを提供するという意味ではそうだ。実際GNOMEプロジェクトで使いやすいインターフェイスを提供できるように作業している」と答えた。いつ頃までに完成するかと聞かれると、「分からない。それはあなた方の貢献次第だ」とのことだった。「重要なのはいつ頃までにできるかとか、そういったことではない。我々が自由のために何ができるかということが重要だ」という。

「あなたにとっての敵はいますか」という質問に対しては、「Microsoftは敵です。彼らはGNU/Linuxを敵視しています。また、それ以外のプロプライエタリなソフトウェアを提供している企業も敵です。ユーザーから自由を奪うので」と語った。また、「ほかの人にMicrosoft独自ファイル形式の添付ファイルを送ってくるように勧めてはいけませんし、そういうファイルが送られてきても開けてはいけません。それはウイルスが含まれているかもしれないので」とも語った。

GNU/Hurd

「GNU/Hurd」システムは、Hurdカーネルを用いたGNUのOS。Stallman氏によると、「GNU/HurdとGNU/Linuxはカーネルが異なるだけで、どちらもGNUのシステムだ」とのことだ。の開発状況やロードマップについて聞かれると、「知らないです。ソフトウェアの開発では何があるか分からないし、予定どおりには進まないものです」とし、「安定性や可用性を求めるのならGNU/Linuxシステムを利用するべきでしょう」と語った。

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