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ロキシオ、CDライティングソフトのDVD対応ロードマップを発表──『Easy CD Creator 5.2』でDVD+RWをサポート

2001年12月08日 13時26分更新

文● 編集部 佐々木千之

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ロキシオ・ジャパン(株)は7日、都内で記者説明会を開催し、CDライティングソフトのDVD対応ロードマップを発表、あわせて2002年第2四半期にリリース予定のOEM向けDVDライティングソフトのプレβバージョンをデモンストレーションした。

説明会では、米ロキシオ社COO(最高執行責任者)のトム・シェイ(Tom Shea)氏がプレゼンテーションを行なった。

米ロキシオ社COO(最高執行責任者)のトム・シェイ氏
米ロキシオ社COO(最高執行責任者)のトム・シェイ氏

シェイ氏によると、個人ユーザーが撮ったビデオやデジタルカメラ画像を、DVDプレーヤーなどで再生できる形で保存し、リビングルームでも楽しめるようにすることで、コンシューマーにおけるDVDライティング市場が動いていくのだという。

コンシューマーに対する調査によると、デジタルビデオ、デジタルカメラ画像などをDVDで保存したいという要求はあるが、そうした人々の多くは、“思いで”を保存したいのであって、難しい編集作業で時間を取られず、簡単に楽しみながら作業したいと考えているという。そして、作成したDVDはパソコンではなく、リビングルームの大きなテレビでみんなで見たり、あるいは友人に送って見てもらったりし、楽しみを共有したいと考えているという結果を得たとしている。

DVDのキーは、リビングルームでも再生できることという
DVDのキーは、リビングルームでも再生できることという

そして、こうしたコンシューマーの応えるソフトウェアは、動画も静止画も扱え、従来のCD(Video CD、SVCDを含む)への書き込みもサポートし、DVDプレーヤーで再生できる互換性を持つことが大切だという。

シェイ氏は、これらの要求に応えるために同社で開発中のソフトウェアとして“Hitchcock(ヒッチコック)”を披露した。ヒッチコックは

  1. 簡単で柔軟なキャプチャー機能
  2. キャプチャー後はそのままCD/DVDに書き込み可能
  3. 簡単なコンテンツ編集
  4. 使いこなせるユーザーにはより進んだ編集機能も提供
  5. インタラクティブなコンテンツを作成可能なオーサリング機能

という5点のデザインゴールを目標として開発中という。説明会で行なわれたデモンストレーションの画面撮影は、プレβバージョンであるためとして禁じられたが、気が付いたところを列記する。

  • ビデオ画像をウインドー内で流しながら好きなところでボタンを押すとキャプチャーが開始、もう一度押すと終了する。これを必要なだけ繰り返す
  • キャプチャーした動画素材は、サムネイル表示になり、マウスのドラッグ&ドロップによって順序の入れ替えなどが行える。
  • 並べ替えたらプレビューし、気に入ったら書き込みボタンを押すだけでそのままCD/DVDに書き込む。
  • メニュー(DVD再生で最初に出てくるメニュー)の編集、タイトルの追加、BGM追加なども可能。

プレβバージョンであり、デザインが変わる可能性はあるが、基本的には、多くの機能の割に少ないボタンで操作できるというものだった。

ロキシオの今後のCD/DVDライティングソフトのロードマップ
ロキシオの今後のCD/DVDライティングソフトのロードマップ

デモンストレーションに続いて、シェイ氏が示した製品ロードマップによると、まず2002年代1四半期に『Easy CD Creator V5.2』として、DVD+RW規格と“Mt.Rainier”(※1)規格をサポートする。第2四半期には、OEM向け専用ソフトとして、Hitchcockをもとにした“Bodega Bay(ボデガ ベイ:コードネーム)”をリリース。さらに、第4四半期に、Easy CD Creatorの新バージョン“King Kong(キングコング:コードネーム)”を予定している。King Kongでは、Hitchcockの機能だけでなく、新しいオーディオソフトとバックアップソフトも一緒に提供するとしている。

※1 Mt.Rainierは、米コンパックコンピュータ社、米マイクロソフト社、オランダのフィリップス社、ソニー(株)の4社を中心として結成された団体で、使いやすさを念頭に置いた次世代CD-RWドライブの普及を目指している。フロッピーディスクのような感覚でファイルの書き込み/書き換えができる次世代標準パケットライトフォーマット『CD-MRW』を提唱。従来のパケットライト規格に比べ、フォーマット時間が5分の1にあたる2分程度になるなどのメリットがある。Windows XPの次世代のOSで標準サポートされる予定。

ロキシオのDVD対応については、ロードマップを見る限りDVD+RW規格だけが書かれているが、そのほかのフォーマットについても「すべて対応する。ただ現時点でコンシューマーが強い関心を持っていると感じているのはDVD+RWとDVD-Rだ」と述べた。HitchcockのMacintosh対応については、Windows版のリリース後に予定しているという。

ロキシオ・ジャパン代表取締役社長の磯田周三氏
ロキシオ・ジャパン代表取締役社長の磯田周三氏

米国市場ではCD/DVDライティングソフトとして大きなシェアを持つというロキシオだが、日本市場では最近、(株)ビー・エイチ・エーや(株)アプリックスに押されっぱなしという感がある。この点についてシェイ氏に確認したところ「アダプテックから分社する際の混乱でうまくビジネスができていなかった部分はある。米国では2001年にブランドを浸透させるために1000万ドルをかけて宣伝した。2002年以降はヨーロッパやアジアでもブランド広告を展開する」と述べた。ロキシオは、新製品と共にブランドを広め、日本でのシェア奪還を目指す構えだ。

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