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東芝電池、アルカリ乾電池の約5倍長持ちする単3形ニッケル乾電池『GigaEnergy』を発表

2001年12月05日 18時17分更新

文● 編集部 今井睦俊

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東芝電池(株)は5日、都内で記者発表会を開催し、アルカリ乾電池に比べ約5倍長持ちする単3形ニッケル乾電池『GigaEnergy』を発表した。価格は、POP付きシュリンクパック4個入り(ZR6G 4SP)が960円、吊り下げ式ブリスターパック2個入り(ZR6G 2BP)が480円、同4個入り(ZR6G 4BP)が960円。いずれも2002年3月に販売を開始する。

記者発表会の出席者
記者発表会の出席者。左から同社の鈴鹿芳朗取締役社長、技術開発担当の山本正夫取締役、営業担当の加納修取締役
POP付きシュリンクパック単3形4個入り(ZR6G 4SP)POP付きシュリンクパック単3形4個入り(ZR6G 4SP)。アルカリ乾電池の持ち時間に不満を持つユーザーに訴求するPOPを付けた
吊り下げ式ブリスターパック4個入り(ZR6G 4BP)吊り下げ式ブリスターパック4個入り(ZR6G 4BP)

同製品は、出力特性を向上させた単3形1次電池で、デジタルカメラで用いた場合に、アルカリ乾電池(撮影可能枚数81枚)と比較して、約5倍(同419枚)長持ちするという。主要構成材料として、正極作用物質に2次電池で用いるオキシ水酸化ニッケルを、負極作用物質に1次電池で用いる亜鉛を、電解液に水酸化カリウム水溶液を採用。1次電池の持つ安定性と信頼性、2次電池の持つ高出力特性を兼ね備え、両者の先進技術を融合したとしている。また、低温特性も強化し、低温条件下(O度)でアルカリ乾電池(撮影可能枚数17枚)と比べて約17倍(同294枚)長持ちするという。さらに、組立構造には、2次電池で用いるスパイラル構造ではなく、1次電池と同様の単純なインサイドアウト型構造を採用。工場での生産性と、品質の安定性を確保したとしている。

アルカリ乾電池に対するユーザーの満足度を示したグラフ
アルカリ乾電池に対するユーザーの満足度を示したグラフ。ゲームユーザー(やや不満10%/不満2%)に比べ、デジタルカメラユーザーの不満を持つ割合(やや不満29%/不満22%)が高い

製品開発に当たって、同社はデジタルカメラユーザーを中心にVOC(Voice of Customer:消費者の声)調査を実施。デジタルカメラユーザーがアルカリ乾電池の使用時間の悪さに不満を抱き、出力特性に優れた2次電池にシフトしていると認識。高出力特性を持った扱いやすい次世代型1次電池を製品コンセプトに開発を進めたとしている。また、同製品の製法では、正極粒子の高密度充填/層状構造、負極亜鉛の粒度の最適化など、34件の特許を出願した。同社では、ニッケル乾電池は、同社が独自開発した製品ジャンルであり、同製品を同市場のデファクトスタンダードにするとしている。記者発表会の冒頭の挨拶で、同社の鈴鹿芳朗取締役社長は、「新電池は、モバイル時代に対応する次世代型1次電池として、デジタルカメラ用に的を絞って開発した」と説明。「新しい時代に合った高付加価値な新製品を創り出すことで、1次電池市場を再構築する」と述べ、「電池メーカーの側から新製品の性能に合った機器開発をメーカーに働きかけ、新市場創造のリーディングカンパニーになる」と語った。

放電特性のグラフ
放電特性を表わしたグラフ。アルカリ乾電池に比べ放電特性が安定しているため、持ち時間が向上している

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