日本電気(株)は4日、キヤノン(株)および浜松ホトニクス(株)と共同で、指内散乱光の技術を採用した指紋センサーの開発に成功したと発表した。
今回開発した指紋センサーは、指に光を直接照射し、指内部に散乱する光を直接イメージセンサーで読み取る“指内散乱光方式”を採用した装置。指紋の隆線を鮮明に読み取ることができるという。従来の静電容量方式や光学方式のセンサーでは読み取りにくかった湿潤指や、乾燥指などへの対応も強化されている。解像度は800dpi(従来は300~500dpi)。細い指や子供の指など隆線ピッチが小さい指紋にも対応する。外乱光の影響を受けにくく、特殊ガラスでセンサー表面を保護することで静電気や衝撃への耐性も向上している。小型・薄型化が可能になり、製品の適用範囲も広がるという。NECは、同センサーを搭載した製品を、2002年度第1四半期から製品化し、販売を予定している。