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GV-DVC3/PCI

GV-DVC3/PCI

2002年01月18日 05時59分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・松本 俊哉

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D-VHSのMPEG2ストリームを ダイレクトに取り込み

 D-VHSで扱われているMPEG2データには、BSデジタルのように衛星などを使って配信されることを考慮し、映像と音声を188byteの固定長パケットデータで構成する「MPEG2-TS(Transport Stream)」という形式が採用されている。そのため、このままPCに取り込んでもファイル形式が異なり再生できない。そこでDVworks 3.0には、MPEG2-TSをPCで一般的に使われている「MPEG2-PS(Program Stream)」に変換しながらキャプチャする「D-VHS Cap 1.0」というツールが追加されている。なお、このツールはWindows XP専用となっている。

D-VHS Capのインターフェイスは簡素なもの。設定画面では書き戻し時のマージン調整が行える。

 D-VHS Capの評価には、CPUにPentiumIII-1GHz、メモリ384MB(PC133)、HDDにBarracuda ATAIV(80GB)、チップセットはi815Eというマシン環境に、日本ビクター「HM-DH30000」を組み合わせてテストしている。

 D-VHS Capの機能は単純で、再生や停止といったD-VHSデッキのコントロールと、MPEG2-TS⇔MPEG2-PSの相互変換を行って、D-VHSテープからのキャプチャおよび書き戻しを行える。このとき映像自体には手を加えないので、D-VHSデッキで録画したクオリティのままの取り込みが可能だ。取り込んだファイルは「.mpg」となり、ビットレートや解像度はD-VHS録画時のフォーマット(HS、STD、LS3など)に準じる。もちろん、ソフトウェアDVDプレーヤなど(MPEG2デコーダ)がインストールされていれば、そのファイルをPC上で再生することもできる。

 ただし、D-VHS CapでキャプチャできるのはD-VHSデッキでMPEG2エンコードした映像のみで、BSデジタル放送などのようにあらかじめエンコードされて送信される映像については、著作権保護のためキャプチャできない仕様になっている。この理由から、最大解像度は720×480ドットとなり、HSモードを利用する意義はあまりないと言える。

 また、再生中のD-VHSテープからではなく、D-VHSデッキ内蔵のTVチューナが受信している映像やVHS/S-VHSテープの再生映像、外部入力端子に入力された映像などを、このツールで直接MPEG2-PSとして取り込むこともできる。D-VHSデッキ次第だが、これらのアナログソースはリアルタイムでMPEG2にエンコードされてi.LINKへ渡されているので、この仕様を利用すればD-VHSデッキを高画質TVチューナ兼リアルタイムMPEG2エンコーダとして利用できるわけだ。ちなみにHM-DH30000では、VHS/S-VHSの再生映像をIEEE1394経由で取り込むことはできなかった。

MediaStudioProに「MPEG Plug-in for D-VHS」を導入するとプロジェクトテンプレートにD-VHSのSTD/LS3モードが現れる。
 付属のビデオ編集ソフト「Ulead MediaStudioPro6.0 Basic VE with Powerup kit」には、「Panasonic DS MPEG PlugIn for D-VHS」という専用プラグインが同梱されている。これを導入すると、MediaStudioProでのMPEG2エンコード時にD-VHSのSTDモードとLS3モードのパラメータを選択できるようになるので、手持ちの映像をD-VHSへ書き戻した後の再生互換性も心配ない。もちろん、D-VHSからキャプチャしたMPEG2ファイルの編集もMediaStudio上で行える。

 今回の評価に使用したソフトはあくまでベータ版なので、製品版では仕様が変わる可能性もあるが、いくつか気になった点を挙げておきたい。まず、D-VHSデッキをPCと接続したままにしておくと、Windows起動時にデッキがタイマー録画スタンバイ中であっても強制的に電源が入ってしまうということ。多くのビデオデッキは、録画予約タイマーをセットしておくと誤操作を防ぐため電源が入らないようになるのだが、GV-DVC3/PCIと接続されているとそれが解除されてしまう(つまり録画が実行されない可能性がある)。もっとも、使い終わったらその都度IEEE1394ケーブルを抜く習慣さえつければ、この問題は解決する。

 さらにテスト環境では、D-VHS Capでキャプチャした映像の音がわずかにずれていることがあった。D-VHSから取り込んだ映像の再生時の推奨スペックはPentiumIII-933MHz以上と高めなので、問題がテスト環境(PentiumIII-1GHz)にある可能性はある。いずれにしても今回の評価はベータ版で行っているので、これらが製品版では改善されることを期待したい。なお、製品版が手元に届き次第、この記事をアップデートする予定だ。


GV-DVC3/PCIの必要スペック
CPU ・「DVworks」を使用してDVからAVIファイルのキャプチャを行う場合:MMX Pentium-200MHz以上(PentiumII-350MHz以上推奨)
・「DVworks」を使用してDVからMPEG2キャプチャを行う場合:PentiumIII-550MHz以上(PentiumIII-1GHz以上推奨)
・「D-VHS Cap」を使用してD-VHSデッキからMPEGキャプチャを行う場合:PentiumII-350MHz以上(PentiumIII-933MHz以上推奨)
メモリ 64MB以上(128MB以上推奨)
HDD 150MB以上の空き容量(UltraATA/33以上)

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