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ビーエスアイ、アイルランドeWareのモバイル対応eCRMシステムを発売

2001年11月23日 03時05分更新

文● 編集部 佐々木千之

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(株)ビーエスアイとアイルランドのeWare社(※1)は22日、都内でセミナーを開催し、eWare社のモバイル対応eCRM(Customer Relationship Management)ソフトウェアシステム“eWare”の初めての日本語対応製品『eWare3.0日本語版』を発表した。2002年1月までに出荷の予定で、価格は個別見積もり。

※1 eWareはアイルランドのダブリンに本社を置くモバイル対応eCRM製品の開発と販売を手がける企業。'97年設立で、英国、米国、ドイツ、オランダに販売拠点(パートナー企業含む)を持つ。

アイルランドeWare社のアイヴァン・マクドナルドCEO
アイルランドeWare社のアイヴァン・マクドナルドCEO

eWare3.0日本語版は、顧客管理や引き合いの管理といった販売活動支援、テレマーケティングやキャンペーンの管理などのマーケティング活動支援、カスタマーサービスやフィールドサービスなどのサービス活動支援、およびコールセンター活動の支援機能を持つ製品。動作環境は、Windows NT Server 4.0またはWindows 2000 ServerとInternet Information Server 4.0/5.0。ADOに対応したRDMSとPOP/SMTPに対応したメールサーバーをサポートする。オプションの『eWare Exchange Syncronisation』によってExchange Server 5.5/2000との連携も可能。

ビーエスアイ代表取締役社長の吉野眞氏
ビーエスアイ代表取締役社長の吉野眞氏

クライアントは、パソコンとしてはInternet Explorer 5.5/6.0が利用できるもの、PDAはPocket PC、携帯電話は(株)NTTドコモのiモード、JフォングループのJ-SKY、KDDI(株)のEZwebのそれぞれに対応した端末をサポートしている。なお、PDAに関してはPalm OSへの対応を予定している(時期は未定)という。

eWare3.0日本語版の販売は、ビーエスアイが行なう。価格に関しては個別の見積もりとしているが、他社のeCRMシステムと比較した場合で、1ユーザーあたり5分の1から10分の1と低価格での導入が可能という。

セミナーでは、eWare社CEOのアイヴァン・マクドナルド(Ivan MacDonald)がeWare3.0の概要や特徴について説明した。

“最初からモバイル機器対応”がeWareの最大の特徴
“最初からモバイル機器対応”がeWareの最大の特徴

マクドナルド氏によると、eWareのeCRMシステムとしての最大の特徴は、最初から携帯電話やPDAなどのモバイル環境を前提として設計したソフトウェアであることという。そうした設計によって、パソコンのウェブブラウザーだけでなく、PDAや携帯電話のウェブブラウザーでもすべての機能が利用できるとして「eWareは真のシンクライアント環境を提供する」と述べた。他社のeCRMシステムでモバイル対応を謳う製品もあるが、既存のシステムにモバイル機能を追加したものでは、処理が複雑になり、さまざまなデバイスに対して統合した環境を同じように利用可能にするのは難しいという。

XMLとXSLを利用してiモード、J-SKY、EZwebに対応
XMLとXSLを利用してiモード、J-SKY、EZwebに対応

また、PDAや携帯電話では、画面構成や機能など多数の仕様が存在するが、eWareではXMLとXSL技術を利用して、さまざまなデバイス向けの表示フォーマットを自動生成するという。マクドナルド氏は、2年以内にセールス担当者の35%、サービス担当者の45%がビジネスにモバイル製品を使うようになるという米調査会社Meta Group社の予測を挙げ、eWareによってこれらのビジネスマンの仕事の多くが外出先でリアルタイムに処理できるようになり、ワークフローの効率化が図れるとした。

データベースとの連携はADO、COM、DCOM技術を利用している
データベースとの連携はADO、COM、DCOM技術を利用している

これまでのeCRMシステムが、パソコンで利用することを前提に作られたために、モバイル対応の製品であっても、パソコンでは使える機能がモバイル機器では使えないといったこともあったという。eWareでは今後のモバイル機器利用が急速に進むと見られることから、モバイル機器に完全対応させたシステムを作成してきた。企業向け情報システム製品の携帯電話のインターネット機能対応では、まずiモードからという製品が多い中で、eWare3.0日本語版では最初から携帯電話キャリアー3社すべてに対応するなど、eWareの特徴の1つであるマルチデバイスへの対応能力を見せた形となっている。今回、eWare3.0日本語版を投入するに当たっては、世界で最もインターネット対応携帯電話が普及している国ということもあり、日本で成功すればほかの国々でのマーケティングもやりやすいという狙いもあるようだ。

Pocket PCでeWareを利用している画面
Pocket PCでeWareを利用している画面
携帯電話でeWareを利用している画面(エミュレーターソフトによる)携帯電話でeWareを利用している画面(エミュレーターソフトによる)

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