日本IBM ThinkPadシリーズの最高峰となるのが「ThinkPad A30p」だ。持ち運びも可能なA4ファイルサイズ(3.45kg)のボディに、現状で考えうるすべての機能を搭載したかのような豊富なスペックを備える万能ノートPCであり、広視野角液晶と各種の通信機能、搭載インターフェイス類に注目だ。
A4ファイルサイズに
多機能を凝縮
日本IBMの「ThinkPad」は、2001年秋から「i Serise」の名称が消滅し、個人/企業向け製品を統一したラインナップ構成となった。そのフラグシップとなるのが、15インチのUXGA(1600×1200ドット)液晶を搭載したA4ファイルサイズの「ThinkPad A30p」である。CPUにMobile PentiumIII-M-1.2GHzを、ビデオチップにMobility RADEON(ビデオメモリ32MB)を採用し、DVD-ROM&CD-RWを「ウルトラベイ2000」に標準装備するなど、デスクトップPCと同等かそれを上回る性能と機能を提供する。
写真1 FlexView Display液晶搭載のThinkPad A30pと、従来の14インチXGA液晶を装備したThinkPad i Series 1800。A30pの液晶の視野角の広さがわかる。ほぼ真横から見ても、明るさ色調ともに変化が少ない。 |
写真2 各種通信モジュールを装備した底面のスロット部。左上が10BASE-T/100BASE-TX対応のLAN、左下がBluetooth、右がminiPCIスロット装着の無線LANモジュール(s30内蔵のものと異なるIntersil製チップ採用のActiontec Electronics製)。 |
ドライブベイは左右共に「ウルトラベイ2000」を採用するほか、右側のドライブベイは、ウルトラベイ2000を拡張してUSBの信号線を加えた“ウルトラベイ・プラス”対応となっている。このベイには、CD-RW&DVD-ROMドライブが装着されているが、オプションのFDD、HDD、Zip250MBドライブのほか、ウルトラベイ・プラス対応の収納式テンキーパッド「数値キーパッド」も内蔵できる(引き出し式トレイ「デバイスキャリア」が別途必要)。左側は従来型のウルトラベイ2000で、標準で装着されているFDDのほか、セカンドHDDや光ドライブに換装することも可能だ。
内蔵HDDは液体軸受けを採用した48GBの2.5インチドライブ(Travelstar IC25T048ATDA05-0)。動作中でもディスクの回転音が聞こえないほど静穏性に優れている。
A30pの難点は、低価格化が進むA4ノートの中でひときわ目立つ約45万円という価格だが、広大で見やすい液晶画面とフル装備がもたらす快適は、他の追随を許さないフラグシップにふさわしい製品と言える。
CPU | Mobile PentiumIII-M-1.2GHz |
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メモリ | 128MB(最大1GB) |
液晶 | 15インチ |
解像度 | 1600×1200ドット/フルカラー |
HDD | 48GB |
CD-RW&DVD | R4倍速、RW4倍速、CD24倍速、DVD6倍速 |
通信 | モデム、LAN、無線LAN、Bluetooth、IrDA |
サイズ | 329(W)×272.5(D)×46.8(H)mm |
重量 | 約3.45kg |
OS | Windows 2000 Professional |