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【MST2001 Vol.1】組み込み機器向けシステムの展示会“MST2001”が開催

2001年11月20日 22時10分更新

文● 編集部 佐々木千之

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20日、東京・有明の東京国際展示場(東京ビッグサイト)において、(社)日本システムハウス協会(※1)が主催する、組み込み機器向けハードウェアとソフトウェアの展示会/カンファレンス“第15回 MST2001(Embedded Technology Conference and Exhibition)”が開幕した。会期は22日までの3日間。入場料は1000円。

※1 (社)日本システムハウス協会(JASA)は、システムハウスにおけるマイクロエレクトロニクス応用技術に関する標準化の推進や権利の保護を行ない、システムハウスの技術向上と利便性の向上を目指して'86年に設立された団体。現在の会員数は正会員160社、賛助会員50社。

展示会場には、昨年のMST2000の128社に対し、今回はそれを大幅に上回る260社が出展した。また、カンファレンスでは、開発者向け技術セミナーなどを中心に3日間で58のセッションを開催する。

以下本稿では展示会場で目についた新しいものを中心にいくつかのブースを紹介する。

組み込み用プロセッサー関連では、アーム(株)、インテル(株)、日本テキサス・インスツルメンツ(株)をはじめして、ナショナル セミコンダクタージャパン(株)、日本電気(株)、(株)日立超LSIシステムズ、三菱電機(株)などが展示を行なっていた。

ステージで行なわれていたARMアーキテクチャーのロードマップ紹介では、10月に発表したSIMD命令をサポートする新アーキテクチャー“ARM v6”など、今後の機能・性能アップと、これまでのアーキテクチャーとの互換性などについて説明していた
ステージで行なわれていたARMアーキテクチャーのロードマップ紹介では、10月に発表したSIMD命令をサポートする新アーキテクチャー“ARM v6”など、今後の機能・性能アップと、これまでのアーキテクチャーとの互換性などについて説明していた
アームのJava高速化チップ『Jazelle』の評価キット(JTEK:Jazelle Technology Enabling Kit)で、英シンビアン社のSymbian OSを動作させていた
アームのJava高速化チップ『Jazelle』の評価キット(JTEK:Jazelle Technology Enabling Kit)で、英シンビアン社のSymbian OSを動作させていた
アームのブースでデモを行なっていた、ピクセル・テクノロジーズ社のPDA用ドキュメントブラウザー『ePAGE』。StrongARMを搭載したPocket PC上で、PDFやHTMLなどを高速に表示していた。2002年に製品化の見通しというアームのブースでデモを行なっていた、ピクセル・テクノロジーズ社のPDA用ドキュメントブラウザー『ePAGE』。StrongARMを搭載したPocket PC上で、PDFやHTMLなどを高速に表示していた。2002年に製品化の見通しという
これもアームのブースで展示していた、アノト日本(株)のBluetooth内蔵ペン『アノト・ペン』。書いた文字やイラストをデジタル化して、BluetoothでPDAやパソコンに送信するという。残念ながら動くところは見られなかった
これもアームのブースで展示していた、アノト日本(株)のBluetooth内蔵ペン『アノト・ペン』。書いた文字やイラストをデジタル化して、BluetoothでPDAやパソコンに送信するという。残念ながら動くところは見られなかった
インテルブースに参考出品されていた、StrongARM搭載PDA。松下電器産業(株)の『Tough Book:Windows CE』と、三菱電機テレコムヨーロッパ社の『Mondo:Pocket PC & GSM』。これ以外に日本電気と(株)東芝のPocket PCも参考出品されていた
インテルブースに参考出品されていた、StrongARM搭載PDA。松下電器産業(株)の『Tough Book:Windows CE』と、三菱電機テレコムヨーロッパ社の『Mondo:Pocket PC & GSM』。これ以外に日本電気と(株)東芝のPocket PCも参考出品されていた
ナショナル セミコンダクタージャパンのブースで参考展示していた、NECインフロティア(株)のWebPadタイプの製品『Touch@i』。ナショナル セミコンのx86互換プロセッサー『Geode GX1』を搭載する
ナショナル セミコンダクタージャパンのブースで参考展示していた、NECインフロティア(株)のWebPadタイプの製品『Touch@i』。ナショナル セミコンのx86互換プロセッサー『Geode GX1』を搭載する
日本TIのDSP『TMS320C55x』のデモ。TMS320C55xはMPEG-4ビデオコーデック用の専用命令を備えており、プロセッサーよりも低消費電力でMPEG-4ビデオエンコード/デコードが行えるという
日本TIのDSP『TMS320C55x』のデモ。TMS320C55xはMPEG-4ビデオコーデック用の専用命令を備えており、プロセッサーよりも低消費電力でMPEG-4ビデオエンコード/デコードが行えるという
日本電気が参考出品していた、同社の『Vr4131』とマイクロソフト(株)の自動車向けOS『Windows CE for Automotive』を使った、車載用ナビゲーションシステムのデモ
日本電気が参考出品していた、同社の『Vr4131』とマイクロソフト(株)の自動車向けOS『Windows CE for Automotive』を使った、車載用ナビゲーションシステムのデモ
三菱電機の16bitプロセッサー『M16C』ファミリーを使った製品。エーユーの『PashaPa2』や手書きアダプターを展示していた
三菱電機の16bitプロセッサー『M16C』ファミリーを使った製品。エーユーの『PashaPa2』や手書きアダプターを展示していた

ソフトウェア関連では、(株)アクセス、ウインドリバー(株)、マイクロソフト(株)、(株)アプリックス、モンタビスタ ソフトウェア ジャパン(株)、QNXソフトウェアシステムズ、マイクロウェア・システムズ(株)などが展示を行なっていた。なかでもアクセス、アプリックス、ウインドリバー、マイクロソフトのブースは、ソフトやハードのサードパーティーの展示も多い大きなものとなっていた。

アプリックスの組み込み向けJava環境『microJBlend』を使った、監視カメラプラットフォームのデモ。三菱電機の32bitプロセッサー『M32R』を搭載しており、GUI部分をJavaで書いているという
アプリックスの組み込み向けJava環境『microJBlend』を使った、監視カメラプラットフォームのデモ。三菱電機の32bitプロセッサー『M32R』を搭載しており、GUI部分をJavaで書いているという
アクセスのウェブブラウザーの新バージョン『NetFront v3.0』(参考出品)。写真はソニー(株)のCLIEで動作しているものだが、この横にコンパックコンピュータ(株)の『iPaq』があり、そこでも動作していた
アクセスのウェブブラウザーの新バージョン『NetFront v3.0』(参考出品)。写真はソニー(株)のCLIEで動作しているものだが、この横にコンパックコンピュータ(株)の『iPaq』があり、そこでも動作していた
これもアクセスの参考出品『DTVシミュレータ』。同社と(株)東京放送(TBS)が、地上波デジタル放送のモバイル受信サービスに向けて研究しているものの1つで、モバイル機器で番組を受信するという想定のデモンストレーション
これもアクセスの参考出品『DTVシミュレータ』。同社と(株)東京放送(TBS)が、地上波デジタル放送のモバイル受信サービスに向けて研究しているものの1つで、モバイル機器で番組を受信するという想定のデモンストレーション
マイクロソフトブースで展示されていた、日本電気のHDD/チューナー内蔵ビデオキャプチャーユニット『SmartVision Pro HD40』。OSに『Enbedded NT』が使われている
マイクロソフトブースで展示されていた、日本電気のHDD/チューナー内蔵ビデオキャプチャーユニット『SmartVision Pro HD40』。OSに『Enbedded NT』が使われている
クラリオン(株)のカーナビゲーションシステム『CADIAS』。マイクロソフトのWindows CE for Automotiveを採用している
クラリオン(株)のカーナビゲーションシステム『CADIAS』。マイクロソフトのWindows CE for Automotiveを採用している

不況化の開催ながら、出展社数が前回を大幅に上回ったことは、情報家電や車載情報システムなど、組み込みシステム市場の広がりと、各企業の期待を反映していると言えるだろう。来場者は技術者が中心のようで、会場はそれほど混雑していなかったが、どちらかというとハードウェアの展示よりも、ソフトウェアの展示について、熱心に質問している姿が多いようだった。

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